28日(きょう)のホワイトハウスなどによると、バイデン大統領と岸田文雄首相は今月23日に首脳会談を開き、半導体技術の安保とグローバルサプライチェーン強化のために半導体の生産、多角化、次世代半導体研究開発(R&D)、供給不足への対応などのために相互協力することにした。また、昨年採択した「日米商務・産業パートナーシップ(JUCIP)」の半導体協力基本原則に基づいて、2ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の超微細工程次世代半導体R&Dのためのタスクフォース(TF)チームを構成することにしたという。
日本経済新聞は最近、日米商務長官会談に言及し、2ナノメートルの半導体開発に東京エレクトロン、キヤノンなどの装備会社とインテル、IBMなどの米国企業の協力が続く可能性を示唆した。
過去に日本は半導体産業を主導したりもしたが、韓国と台湾などに遅れを取っている状況だ。ただし、半導体の生産基盤となる素材・部品・装備などに強みを持っており、米国や台湾と協力している。米国のウェスタンデジタル(WD)は日本のキオクシアと共同で1兆円規模の工場を三重県四日市市に完工し、年内に稼動を開始する予定だ。
TSMCはソニーと合弁法人を設立し、ファブ(Fab、工場)の建設を開始した。日本政府は投入費用の半分を補助金として支援し、TSMCのR&Dセンター建設も費用の半分を支援することを約束した。自動車部品メーカーのデンソーもTSMCとソニーの共同子会社に出資した。
日本との首脳会談に先立って韓国を先に訪問したバイデン大統領は今月20日、韓国に到着するやいなやサムスン電子のピョンテク(平沢)半導体工場を訪問した。この席で両首脳は米韓技術同盟の強化に声を一つにした。共同声明でも半導体などの核心技術の保護および振興のための官民協力と定例長官級供給網・産業対話の設置に合意した。
両首脳がサムスン電子訪問時にサインした3ナノメートル工程の半導体ウェハーは米韓技術同盟の象徴と評価された。サムスン電子は米国テキサス州テイラー市にファウンドリー(半導体委託生産)着工が予定されており、SKハイニックスも米国内にR&Dセンターの建設を推進している。韓国は米国に投資し、米国は生産基地と安定的なサプライチェーン、インセンティブを提供する協力だ。今回の訪韓にはクアルコム(Qualcomm)のクリスティアーノ・アモンCEOが同行したが、具体的な協力内容などについては公開されなかった。
素材・部品・装備に強みのある日本が米国や台湾と協力する間、韓国は外交問題で日本との間に葛藤が生まれ、半導体の重要素材の供給に支障を来たした。台湾TSMCは越えなければならない山だ。日本との葛藤はサプライチェーンの多角化と国内素材産業育成の契機になったが、日韓、韓国―台湾半導体産業は協力というよりも競争関係だ。台湾は外交的、政治的問題で米国主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加できずにいる。
米国が自国を中心に韓国、日本、台湾とともにいわゆる“チップ4(CHIP4)”を形成し、4カ国の技術同盟で中国の“半導体崛起”を阻止しようとしているが、米国との関係に集中している韓国はもちろん、日本、台湾など各国の利害関係による“同床異夢”は協力の輪を少し緩めている。
4ヵ国はむしろ2ナノメートル以下の超微細工程競争に飛び込んだ状況だ。世界初の3ナノメートル工程の量産を宣言したサムスン電子は2025年に2ナノメートル工程の半導体の量産を目標に走っている。サムスン電子の一歩先を行く、3ナノメートルの量産に危機意識を感じたTSMCは、1.4ナノメートル工程の量産を発表した。2ナノメートル工程の量産のタイムラインもサムスン電子と同じ2025年だ。IBMは世界初の2ナノメートルチップを披露し、インテルはそれぞれ2024年上・下半期に2ナノメートルと1.8ナノメートル工程の量産を計画した。
グローバル半導体産業の激動の中心にあるサムスン電子は今後5年間、半導体などに450兆ウォン(約45兆4700億円)を投資し、競争力を強化することにした。相対的な弱点に挙げられるファブレスシステム半導体、ファウンドリー育成のために高性能低電力AP(アプリケーションプロセッサー)、イメージセンサー、3ナノメートル以上の製品の早期量産を中心に未来市場を主導するという戦略だ。大規模な買収合併(M&A)を通した成長も期待される。サムスン電子の現金性資産規模は124兆664億ウォン(約12兆5400億円、第1四半期末)に上る。
業界関係者は「おそらく450兆ウォンの中にはM&Aも含まれているだろう」とし、「ただし、M&Aは国家間の反独占イシューと価格問題の影響で容易ではないだろう」と見通した。
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