オレナ氏は、ウクライナと韓国が自由と民主主義のために戦ったという歴史上の共通点があると強調。「韓国はわれわれと同様に、核兵器で世界を絶え間なく脅かす隣国のそばに暮らしている」としながら、「西側諸国は1950年代に韓国が自由のための戦争に勝利するよう集まり、今はウクライナを中心に団結している」と説明した。
オレナ氏は戦争初期からSNS(交流サイト)などでロシアの攻撃の不当性を批判し、悲しみと喪失感に陥ったウクライナ国民への関心を呼びかけるメッセージを発信してきた。
今回のインタビューでも「もう大抵の戦争のニュースにも人々は動じなくなった」として、「どうか戦争に慣れてしまわないでほしい」と訴えた。
オレナ氏は、戦争によって「ファーストレディー」の役割が完全に変わったとする。
その一例として、戦争前は学校給食のメニューについて考えていたが、今は子どもたちが飢え死にしない方法を考えるのが自分の仕事になったとして、「21世紀の欧州の中心にある国のファーストレディーがこのようなことをしなければならないと(誰が)予想しただろうか」と反問した。
個人的な恐怖心も率直に吐露した。自身は夫に続きロシアが命を狙う2番目のターゲットであるためだ。
オレナ氏は「もちろん恐ろしい」とする一方、「夫と離れて子どもたちを守らなければならない数百万人のウクライナの母親が私を見つめているため、落ち着いてパニックに屈しないようにしている」と明かした。
現在の関心事は、自身の安全よりも戦争で傷ついた子どもたちだ。
ロシアが侵攻を開始した2月24日、ウクライナの子どもたちは強制的に「大人」にされてしまったという。
家族が乗った車が銃撃され、負傷した大人の代わりにハンドルを握って避難した少女や脚を失った母の面倒を見る少年など、一人ひとりに心を寄せる。「われわれの子どもたちを『失われた世代』にさせたくないのです。子どもたちが戦争という衝撃的な経験を生きる意欲に変えるよう、手助けしなければなりません」。
オレナ氏自身も、ロシアの侵攻によって飢え死にした母親の墓のそばで泣いている子どもを「大丈夫」と慰める自信はないという。それが「子どもたちを言葉で安心させる代わりに、行動で示すことにした理由」だと説明した。
戦争で疲弊したウクライナの再建のため、オレナ氏は23日に「ファーストレディー・ジェントルマンサミット」を開催する。昨年ウクライナの首都、キーウで初開催されたこのイベントは、今年はオンラインで開かれる。
オレナ氏は「今年のサミットでは戦争における心身の回復、難民、教育、子ども、女性問題などを幅広く話し合う」とし、ウクライナ戦争の情報発信に関しても議論する計画だと説明した。
また、「無関心は戦争に反対する行動を止めかねないという点で間接的な殺人だ」とし、「メディアはウクライナ戦争を継続して報じなければならない。ウクライナに対する関心が実質的な支援へとつながる」と強調した。
オレナ氏は続けて、「戦争が終わった後、ウクライナ国民が家に戻るのはわれわれにとって非常に重要なことだ」とし、「ウクライナで共に勝利を祝い、国を再建し、未来を作っていく」と力を込めた。
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