【西帰浦聯合ニュース】韓国南部・済州島で開かれている「済州フォーラム」最終日の16日、韓日の歴史問題に関するセッションが開かれた。日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を巡り、日本企業の韓国内資産の売却(現金化)が実行されたとしても日本との決定的な摩擦を防ぐことができる次善策を講じる必要があるとの意見が上がった。 韓国・国民大の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「韓国政府の意思と関係なく、その時がくれば現金化は進められるだろう」との見方を示した上で二つの案を提案した。 まず「プランA」として「被害者と加害者の交渉を通じて基金という受け皿を形成する交渉」を示したが、この案が成功するとは言い切れないと述べた。 次いで「現金化に進んだとしても極端な摩擦を防ぐことができる危機管理計画を立てること」を「プランB」に挙げた。韓国政府が物質的な賠償、補償を追加請求しないと表明し、日本企業に財務的損失が発生すれば基金や法制化などを通じて補填(ほてん)するという内容。李氏は「徴用被害者の問題は(韓国政府が)国民を守れなかったことに端を発しており、政府が国家報勲という面から解決すべきだ」と述べ、プランBが現実的で戦略的な解決策になると強調した。 朝鮮半島問題に精通した日本の和田春樹・東京大名誉教授は、1965年に締結された韓日基本条約と請求権協定を正しく理解した上で、新時代を目指して前進する必要があるという考えを示した。 ソウル市立大の鄭在貞(チョン・ジェジョン)名誉教授は「韓日間の歴史問題だけにとらわれていると、両国とも世界史における大転換に対応できず、後れを取ることになる」と指摘。現代の韓日関係の成果を前向きに評価し、より積極的に交流、協力するよう呼び掛けた。
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