日本政府は韓国人に対するビザ免除措置を2020年3月9日から一時停止していたが、約2年7か月ぶりに再びビザなしで日本に入国できるようになった。これまで1日5万人としていた日本への入国者数の上限も撤廃したほか、入国者は日本到着時の新型コロナ検査と入国時の待機も原則必要なくなった。
ビザなし日本旅行解禁初日の11日、韓国メディアは日本に向かう韓国人旅行者の声を伝えた。キンポ(金浦)空港から羽田空港に向かう飛行機の搭乗を待っていた30代の自営業者は、ヘラルド経済の取材に「パック旅行ではなく個人旅行がしたくてこの日を指折り待っていた」と話し、日本の個人旅行の受け入れ解禁を喜んだ。別の30代は「以前は日本の地方も旅行するなど、毎年5回ほど日本を訪れていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で行くことができなくなり残念だった。地理的にも近く、楽しそうな通りやおいしい食べ物が日本の魅力だ」と語った。
この日の日本行きの飛行機はほとんどが満席となった。聯合ニュースが航空業界関係者の話として伝えたところによると、この先も大部分の日本路線が満席に近い予約率となっているという。韓国の格安航空会社(LCC)の済州航空は、10月のインチョン(仁川)―成田線の予約率が11日現在、90%台半ばにまで迫っている。先月21日時点では50%台後半だったが急増した。そのほか、仁川―大阪線、仁川―福岡線、釜山―成田線が90%台前半、釜山―大阪線、釜山―福岡線が80%台と軒並み高い予約率となっている。
航空会社は日本路線の需要急増を受け、増便を急いでいる。韓国の航空会社最大手の大韓航空は11日から仁川と成田、大阪を結ぶ路線をそれぞれ週7往復から週14往復に増便した。アシアナ航空は30日から仁川―成田線を週10往復から12往復に、仁川―大阪線を週7往復から10往復に、仁川―福岡線を週2往復から7往復に、仁川―名古屋線を週2往復から3往復にそれぞれ増便する。
また、国土交通部(部は省に相当)は11日、金浦空港と羽田空港を結ぶ路線の運行回数を、30日から週56往復にすることで日本政府と合意したと発表した。2003年から運行が始まった同路線は、ソウルと東京を結ぶ日韓交流の象徴的路線とされる。羽田、金浦両空港とも都心部へのアクセスが優れており、コロナ禍前は航空会社4社が週84往復就航していたが、2020年3月から運休。今年6月29日に週8往復で再開し、7月25日に28往復に増やしていた。30日から週56往復となることにより、同路線を運航する大韓航空とアシアナ航空、日本航空と全日本空輸はそれぞれ毎日2往復まで運行が可能となる。国土交通部は「今後の需要の推移を考慮し、さらなる運行回数拡大に向け、日本側と協議を進める」としている。
一方、課題もある。日本政府による水際対策は大幅に緩和されたが、東南アジア諸国などと異なり、日本入国には3回目のワクチン接種の証明書か72時間以内に行ったPCR検査の陰性証明書を提出する必要がある。
また、日本行きの航空券の価格が高止まりしており、以前ほど「気軽に日本旅行」とはしばらくはなりそうもない。朝鮮日報が、航空業界関係者の話として伝えたところによると、今月末の仁川―大阪間の航空券は50万~80万ウォン(約5万1000~8万1000円)台で販売されているという。仁川―成田間は40万~60万ウォン台、金浦—羽田間は70万を超える。日本行きの航空券は、コロナ禍前の2019年は往復10万~20万ウォン台だった。日本政府による対韓輸出管理強化を受けて韓国で不買運動が起きた際には、片道2万~3万ウォン台の日本行き航空券も登場した。同紙は「日本を訪れる人たちは、当分の間、新型コロナ流行前の2~3倍の額の航空券を買うほかないとみられる」と伝えている。
LCCの中には、日本旅行の需要が本当に回復するのか、しばらく状況を見守ろうとする会社もある。あるLCCの関係者は朝鮮日報の取材に「我々も早く以前のような便数に戻したいが、コロナ流行期間中の傷があまりも大きく、2019年の水準にまで慌てて増便しても予期せぬ状況の変化でひどい目に遭う心配もある。1、2か月様子を見て徐々に便数を増やす予定だ」と話した。
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