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「キムチの日」は2007年、韓国キムチ協会がキムチの優秀性をPRし、キムチ文化の発展を目指して制定した。「キムチは素材一つ一つ(11)が集まって、22種類(22)の効能を見せる」とされていることにちなみ、11月22日と制定された。また、11月にキムチの材料である白菜が旬を迎え、この時期がキムチづくりに最も適しているからという意味合いもある。
「キムチの日」は韓国内にとどまらず、米国のいくつかの州で制定されている。昨年8月にはカリフォルニア州で、今年2月にはバージニア州とニューヨーク州、6月にはワシントンの議会でそれぞれ「キムチの日」制定が決議された。
ニューヨーク州議会で決議された「キムチの日」の決議案には、州内でキムチの人気が高まっていることやキムチの歴史、キムチが健康食品として優れていることなどが明記された。また、韓国がキムチの起源国であり、2013年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)がキムチを準備・保存する過程を表す「キムジャン」を無形文化遺産に認定したことも記されている。
ニューヨークでは先月、韓国の大手食品メーカーのテサン(大象)が、の繁華街、タイムズスクウエアの電光掲示板にキムチの広告映像の上映を始めた。今月6日まで計6720回広告を流した。
大象は韓国を代表する総合食品メーカーの一社で、韓国のキムチ業界では最大手。キムチのグローバル化に力を入れており、今年3月には韓国の食品メーカーとして初めて米国に大規模な工場を設立した。米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のシティ・オブ・インダストリーに建設した1万平方メートル(約3025坪)規模の工場でキムチを生産。ウォルマートやコストコなど、米国の大型スーパーには同社の「大象キムチ」が並ぶ。
タイムズスクウェアに広告を出したのもグローバル戦略の一環。「韓国のキムチ、今やみんなのためのキムチ(Korea’s Kimchi, Now For Everyone)」をテーマに、外国人がキムチを味わう広告映像を流した。味わった外国人たちは「シャキシャキとした」「豊かな味わい」「健康に良い」「新鮮」などと感想を語り、キムチをPRした。
韓国がキムチのPR、販売を海外に向けるのも、若者を中心とした韓国人の「キムチ離れ」がある。また、前述した「キムジャン」ではかつて野菜が取れない冬を前に、家族や親せき一同が集まってキムチをつける光景があちこちで見られた。しかし現在は都市化や核家族化が進み、こうした文化は薄れてきている。
昨年、農林畜産食品部(部は省に相当)が公表した「2019年キムチ産業実態調査」では、全国の5000世帯を対象に行った調査結果が掲載され、「キムチを直接漬けて食べる」との回答は42%だった。
一方、海外では韓国ドラマなどをきっかけに、韓国の食文化に関心を持つ外国人も増えている。米国では韓国の食品への関心も高く、昨年の韓国産キムチの米国への輸出額は2825万ドル(約39億9500万円)を記録。前年比22.5%増加した。また、10年前(279万ドル)と比べると10倍以上成長した。
だが、韓国内においては、輸入のキムチが多く消費されている。先月のキムチの輸入額は1710万ドルで、統計を取り始めた2007年以降で月別輸入額が最高を記録した。韓国産キムチの価格が上昇しているためで、前述の大象は先月から「大象」ブランドのキムチ価格を平均9.8%引き上げた。CJ第一製糖も9月15日から「bibigo」(ビビゴ)ブランドのキムチの価格を販売先ごとに約11%引き上げた。
今後も価格上昇が続けば、韓国において自国産キムチが食べたくても食べられない日が来るかもしれない。「キムチ宗主国」を自認する韓国にとしては、何としても回避しなければならない。海外に活路を見い出すのもいいが、「キムチの日」が「キムチ宗主国」の価値を改めて思い起こす機会となればいい。
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