前政権では将兵を独立した人格体として待遇し、社会との疎通、自己開発機会の拡大、健全な余暇を過ごすことなどのために、日課後の兵士の携帯電話使用政策を推進した。2018年4月に試験運用を開始し、27か月間の試験運用を経て訓練兵を除く36万人余りの兵士が携帯電話を使用できるようになった。
ユン・ソギョル(尹錫悦)政権ではこれに加え、国政課題の一つとして「兵士の携帯電話の所持時間の拡大」を推進している。勤務時間以後だけでなく、点呼が終わった後の勤務開始前にも使えるようにする「最小型」、朝の点呼後から就寝前まで使うことができるとする「中間型」、24時間所持することができる「自律型」などを適用するために、各軍別に2〜3の部隊をモデル部隊に指定して運用している。
その一環として、訓練兵の携帯電話の使用可否についても検討している。陸軍28師団・37師団の新兵教育隊と海軍・空軍および海兵隊の新兵教育隊をテスト部隊に選定し、任務遂行と機密保持に及ぼす影響などを確認する計画だ。
6月17日に国防部が配布した「兵士の携帯電話所持時間拡大試験運営施行」報道資料によると、訓練所入所1週目の平日に30分、週末・祝日に1時間使用を許可する「最小型」と、全ての入所期間中平日に30分、週末・祝日に1時間使用を許可する「拡大型」に区分して運用している。今年6月22日から12月31日まで、モデル部隊の訓練兵にこれを適用して施行案を確定する方針だ。
軍当局は、第一線で勤務する兵士の携帯電話使用を使用したわいせつサイトへのアクセスや不法賭博、機密保持規定に違反する事例が後を絶たないため、「副作用」解消のための予防措置に力を入れている状況だ。
しかし、陸軍の訓練所ではテスト部隊でないのにもかかわらず、訓練兵が携帯電話を使用しており、議論を呼んでいる。特に陸軍によると、訓練兵の携帯電話使用は国防部のテスト部隊指定前の5月から行われていた。
これに対して陸軍訓練所側は「毎日約1万枚に達する電子メールを出力して訓練兵に渡す業務が過度に煩雑である点を考慮して、訓練兵が1日30分間インターネットを確認できるよう、携帯電話の使用を許可していた」と明らかにした。
しかし、勤務終了後に携帯電話を受け取った訓練兵らは、電子メールだけでなくほとんどの時間をメッセンジャーアプリや通話に使用していることが確認された。インターネットサイト「コムシンカフェ」などによると、訓練兵たちは公衆電話を使わず、毎日午後5時から10時まで恋人や家族と音声通話をしていることが分かった。これを受け、ある連隊の今年の公衆電話の売り上げは前年に比べて63.4%も急減した。
特に掲示文によると、訓練所の連隊ごとに携帯電話の使用許可時間が異なるものとみられる。平日の場合で23連隊で10分から15分、25連隊で15分、26連隊は入所初週のみ10分、27連隊で5分、29連隊で5分から10分、30連隊で10分などだった。第28連隊の場合、週1回5分を許可していたが、現在は電子メールの確認用としてのみ許可しているという。このように訓練所内の部隊ごとに基準が統一されていない。
陸軍は取材に対して「モデル部隊ではない一般の部隊で任意に携帯電話使用を許可しないように指示した」と明らかにした。
一方、陸軍は副士官候補生の場合、訓練所入所から5週目以降の週末のみ一定時間の携帯電話使用を許可している。海軍の場合は将校・副士官候補生ともに平日の携帯電話の使用を禁止し、週末のみ一部許可している。
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