憲法裁の「検捜完剥法」棄却で揺れる韓国の政界...憲法裁に批判の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
憲法裁の「検捜完剥法」棄却で揺れる韓国の政界...憲法裁に批判の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、韓国の憲法裁判所(憲法裁)が23日、検察の捜査権を縮小したいわゆる検捜完剥(検察の捜査権完全剥奪)法の立法について、手続き上の誤りを認めながらも、法が無効ではないと判断した。憲法裁のこのような判決に対しては、強い批判の声が出ている。

 韓国の政界では、与党「国民の力」は「手続き上の問題」を指摘する一方、野党「共に民主党」は権力機関の改革後に続く対応に拍車をかけるとして、激しく対立している。

 与党では「盗みをしたが所有権は認めた」「酒は飲んだが飲酒運転はしなかったという判決」など、激しい反応が噴出した。野党は法案の効力が維持されたため、法務省がこれを施行令で無力化したこともやはり違法だと高らかに主張している。

 憲法裁は23日、検察の捜査権を縮小した改正検察庁法・刑事訴訟法が検事の権限を侵害せず、検事の捜査権限は憲法上与えられた権限ではなく、立法で調整・配分すべき事項だと判決をくだしたため、法案自体の効力が維持された。ただし、改正案の成立過程で「偽装離党」など、物議を醸した手続き的な問題については、与党議員らの審議・投票権が侵害されたと判断した。また、法務省が国会を相手に出した権限争議審判請求は、ハン・ドンフン(韓東勲)法相に請求人の資格がないとして、却下した。

「国民の力」のキム・ギヒョン代表は、「憲法裁の決定は詭弁(きべん)の極致で、酒は飲んだが飲酒運転はしなかったと主張するのと同じだ。憲法裁ではなく、政治裁判所のように見える」と判決を批判した。

 ソウル新聞は24日付の社説で、「政治的目的のためにこのように司法制度の根幹まで揺さぶっても問題がないというのなら、多数の議席を握っている立法権力の横暴は、将来的に憲法の秩序を危険に陥れるだろう。憲法の価値を守る最後の砦である憲法裁が、政党民主主義を回復させる機会を逃した」と批判した。

 また、文化日報も社説で「憲法裁は民主党の法律違反や立法の暴走、民意の歪曲(わいきょく)をすべて合法化したということになる。イデオロギー的な両極化が最高裁と憲法裁にまで広がってしまった。韓国の民主主義は重大な脅威に直面している」と指摘した。
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