日米韓の首脳が5月の広島G7サミットで、写真撮影をするためあいさつを交わしている様子(画像提供:wowkorea)
日米韓の首脳が5月の広島G7サミットで、写真撮影をするためあいさつを交わしている様子(画像提供:wowkorea)
今月18日に予定されている米キャンプデービッドでの日米韓首脳会議では、韓国が単独あるいは日本と共にNATO(北大西洋条約機構)に加入するか、もしくはそれに準ずる地位を得ることのできる方案が話し合われるべきだ。NATO条約の10条による加入条件と手続きの壁は、例えば「グローバルNATO特別加盟国」の地位を付与することで解決が可能だ。

NATOは1949年4月に調印されてから現在まで、米国を中心にカナダや29の欧州諸国の「集団安保条約」として機能している。

去る4月には、第2次世界大戦以降「安保中立」を表明していたフィンランドが、31番目のNATO加盟国になった。中立国の立場を捨てたスウェーデンも、NATOへの加入を待っている。この2か国は2022年2月のロシアによるウクライナ戦争勃発以降、NATOの集団安保体制に入ることを望み、フィンランドは1年をかけ加入に成功した。

NATO条約5条に盛り込まれた「集団防衛」を実現するための核心戦略は、NATOの「核戦略」にある。1957年に採択された核兵器による大規模報復戦略は、NATO加盟国が核兵器だけでなく在来式軍隊による攻撃を受けた時も、NATOは直ちに介入し「核兵器攻撃」により相手を絶滅させる戦略だ。

これは、国際的な情勢変化により修正されてはいるが、ロシアが昨年起こしたウクライナ戦争を機に、2022年6月のマドリードNATOサミットで「NATOは核兵器が存在する限り、核同盟として存在する」とあらためて確認された。

韓国の安保が北朝鮮の核脅威により非常に危険な状況になっている中、韓国の安保のための現実的装置は、現在「米国との同盟」が唯一である。しかし、これを補完する「集団防衛装置」があれば、北核に対抗する韓国の安保力はより強化されることになる。

米国主導のNATOは、まさにそのような組織である。NATOの核同盟は、核兵器未保有6か国に240基以上の米国の核兵器を駐屯させ、欧州の集団安保を担保している。これは事実上、欧州がこれまで平和と経済的繁栄を享受できるようにしてきた原動力となっている。韓国においてもNATOとの核同盟は、核兵器の保有なくそれに準ずる脅威的戦略効果を得ることができ、米韓同盟と共に安保や平和・経済的繁栄を担保する2つの軸になるだろう。

ロシアの安保脅威と中国の北東アジア勢力拡大を遮断する米国の世界戦略により、韓国を含めた北東アジアは米国にとって欧州のような戦略的価値を持った地域となった。韓国が直面しているこのような地政学的戦略価値をうまく活用しなければならない。「韓国のNATO加入」は、その端的な例となり得るだろう。

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