米下院国際関係委員会のフレーザー委員長(当時)は前職駐米大使館幹部の証言などを基に、文氏の通訳であり大使館武官だった朴普熙(パク・ボヒ)氏が、大統領や外務部長官、中央情報部部長らと直接接触できるシステムがあるものと判断し、1976年6月22日に聴聞会を行った。また、複数の米有力メディアも、統一教会と韓国政府の結託疑惑を提起した。
ニューヨーク・タイムズは1976年5月25日付で、文氏率いる統一産業が韓国で小銃工場を建設する際、朴氏が朴正熙大統領に会い事業支援について話し合ったことや、韓国の公務員教育が統一教会系の反共産主義政治団体「国際勝共連合」で行われたことなどを報じている。同紙は文・朴両氏と朴正熙大統領のさまざまな関連性を紹介し、「統一教会が独自の成長を遂げた後に韓国政府がこれを利用したか、最初から韓国情報要員により調整を受けたもの」と主張した。
時事週刊誌「タイム」は同年6月14日付で、1974年にニクソン大統領弾劾聴聞会が行われた際、文氏が徹夜で祈りを捧げるなど活発な政治活動を行ったと紹介し、ニューヨーク州だけで保有不動産が1700万ドルを超えるなど宗教団体免税資格をめぐる論議を呼び起こしたと報じた。ただ同誌は、朴正熙大統領が文氏を援助していたという決定的な証拠はないとし、おそらく単純に便宜上の結びつきだったのだろうと結論付けている。韓国政府の支援なくして文氏の成功はなく、朴正熙大統領もまた、文氏の反共産活動をありがたく受け止めていたとの見方だ。
政府は統一教会とのコネクション疑惑が持ち上がった当初、「憲法上、宗教の自由と政教分離の原則を採択している韓国政府の立場として、統一教会に対する論評や特別な指示はあり得ない」とコメントするよう在外公館に指示するなどの対応を取っていた。しかし、有力メディアのこうした報道が相次ぎ疑惑が広がったことを受け、関係官庁で対策会議を行い本格的な対応に着手した。
外務部長官と大統領に報告された6月2日付の駐在関係部署対策会議の内容によると、当時韓国政府は、米国側が統一教会と韓国政府の関係を暴こうとしている背景には、韓国の反体制キリスト教関係者と米国内の反韓国勢力が結託した陰謀があるとの見方を示した。それと同時に、統一教会系リトルエンジェルス会館の賃貸料をソウル市の財源で補てんすることを中断し、政府高官が統一教会の行事に参加したり関係団体を活用することをつつしむよう指示するなど、関係清算のために動いていた事実も文書から明らかになった。
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