日本の劇作家・演出家の坂手洋二さんが書いたこの作品は獄中結婚後、16年ぶりに一緒に暮らすことになった夫婦を主人公に沖縄の米軍問題を扱っている。坂手さんは1983年に劇団を旗揚げして以来、社会性の濃い60以上の作品を書き、演出した日本を代表する劇作家だ。
20日、韓国の観客との交流のために来韓した坂手さんをサヌリム劇場でインタビューした。以下は一問一答。
―『ブラインド・タッチ』を書くことになったきっかけは。
「獄中結婚を素材にした物語を書こうとしていた矢先、学生時代に学生運動をしていたある夫婦と会ったのがきっかけだった。無実の罪で服役している人たちのことを書きたかった。この作品を通じて、“隠す社会”である日本にも国家や権力に立ち向かって自立的な考えを持つ人々がいるということ、そしてそのような人々が世界中の抑圧を受けている人々と連帯できる可能性があるということを語りたかった」
―この作品に対する日本の評壇の反応は。
「日本では反米のような社会問題に焦点を合わせずに単なるラブストーリーとして扱う評価がほとんどだった。この作品が日本よりも米軍問題に敏感な韓国でもっと認められるのではないかと期待している」
―韓国に紹介されている日本の演劇が主に個人の日常に関するものだが、この作品は社会的問題を扱っているという点で独特だが。
「日本には私のように演劇を通じて社会的な問題を明確にする作家がほとんどいない。この作品以外にも沖縄国体での日の丸焼き捨て事件、沖縄の米軍牛乳工場の閉鎖で従業員が解雇された話を扱った作品、沖縄在住の被爆者を扱った作品など実際に起きた事件を素材とした作品を主に書いてきた」
―若いころは学生運動に参加したか。
「1962年生まれなので学生運動に参加するには遅かった世代だ。しかし、若いころはデモに参加したり、1980年代には反天皇アーチストの団体で会長を務め、情報機関から尾行や盗聴されたりした」
―韓国に紹介する次回作は。
「地雷問題をテーマにした『だるまさんがころんだ』を上演する予定だ。ニューヨークのセントラルパークやカンボジアなどさまざまな地域を背景に地雷に関するエピソードが繰り広げられる。この作品を通じてわれわれがよく知らないが地雷という否定的な物によって世界がつながっているということを表現したい」
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