【ソウル27日聯合ニュース】リビアが現地に駐在する韓国外交官に対しスパイ容疑を適用し、先月追放していたことが分かった。駐韓リビア経済協力代表部が先月下旬から領事業務を中断したのも、韓国外交官追放と無関係ではないとみられ、ことしで国交樹立30周年となる両国の関係が重大な局面を迎えている。
 複数の外交消息筋が27日に明らかにしたところによると、リビアの保安当局は先月初め、駐リビア韓国大使館の情報業務担当職員のリビア内での活動が国家安保に危害を及ぼしたとの理由を挙げ、同職員を拘禁し、取り調べを行った。同職員は先月15日に非友好的人物として韓国側に通知された。同18日に本国送還手続きを踏み、帰国したと伝えられた。
 外交消息筋は、「この職員が、北朝鮮との防衛産業協力に関連する情報を収集する過程で、リビア側の誤解を招き、問題が生じた。情報活動に対する評価や解釈において両国に違いがあるようだ」と述べた。現地では1次協議が行われ、リビア側の返事を待っていると伝えた。
 現地のメディアは、韓国外交官がリビア政府の要人と組織に関するスパイ活動を行ない、リビア側が韓国政府に対し問題を提起したと報じたが、韓国の外交当局者らは「リビア側の誤解」だと説明した。
 リビアは、先月23日に駐韓経済協力代表部の領事業務を中断し、代表部職員らを帰国させたと伝えられた。しかし、当局者らは、代表部の職員は休暇中で、今回の問題と直接的に関連がないと承知していると話している。
 一方、李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄、李相得(イ・サンドゥク)ハンナラ党議員が今月6~13日に李大統領の特使としてリビアを訪問し、外交的説得の努力を傾けたようだ。
 リビア訪問について、李議員は「韓国企業のリビアでの建設契約推進に向け、マハムーディ首相に3回会った」と述べたが、韓国外交官追放については明らかにしなかった。
 一方、韓国の情報当局は今月20日、リビアに代表団を送った。代表団はリビアの高位当局者と接触し、外交的解決を図るための方策を協議している。政府当局者は「今回の問題が両国関係に否定的な影響を与えないよう、格別に留意しており、早期に解決されるよう最善の努力を傾けている」と強調した。



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