手前が茂島基地、後方がケ里基地(共同取材団撮影)=25日、延坪島(聯合ニュース)
手前が茂島基地、後方がケ里基地(共同取材団撮影)=25日、延坪島(聯合ニュース)
【ソウル25日聯合ニュース】黄海上の軍事境界線と位置付けられる北方限界線(NLL)に近い仁川・延坪島に北朝鮮が砲撃を加えた23日午後、島に配置されていた韓国軍のAN/TPQ-37対砲レーダーが正常に作動せず、砲撃地点の打撃に支障を来たしていたことが分かった。
 韓国軍合同参謀本部が25日に明らかにしたところによると、北朝鮮の最初の砲撃(150発余り)当時、対砲レーダーの誤作動により、砲弾が飛来する地点を正確に把握することができなかった。
 直射火器の海岸砲は対砲レーダーでの認識が困難だが、曲射火器の放射砲は探知が可能だ。
 北朝鮮はケモリとムド、2つの基地から同時に砲撃していたが、韓国軍はレーダーの問題で、北朝鮮側から放射砲が発射されていることを探知できなかった。午後2時47分からの韓国側の応射(50発)は、予め座標が設定してあったムドに向けてだけ行われた。
 合同参謀本部関係者によると、午後3時12分からの2度目の砲撃では、レーダーが正常に作動し、ケモリ基地から飛来する放射砲を探知。同基地に30発を発射した。
 韓国軍は対砲レーダーが正常に作動しなかったために、海兵隊延坪部隊の北朝鮮側射撃地点の探査に支障を来たし、放射砲基地を効率的に打撃できなかったということになる。延坪島後方に位置する軍部隊と民家に着弾したのは、放射砲だった。この対砲レーダーの誤作動が、民間と軍の被害を大きくした原因と指摘される。
 また、最初の応射で動員された延坪部隊の自走砲K9は、6門のうち3門しか作動していなかった問題も明らかになった。合同参謀本部関係者によると、北朝鮮の砲撃を受け2門に障害が発生し、1門は砲撃前に行っていた射撃訓練で不発弾が詰まった状態だったという。後に1門の障害を緊急修理し応射に加えた。
 延坪部隊が保有する火器で唯一、北朝鮮の砲基地を攻撃することができるのがK9だが、砲撃直後には半数しか作動しておらず、初期対応の手落と指摘される。
 さらに軍は砲撃当日の23日、K9を6門動員したと発表したが、24日には4門で対応したと言葉を変えている。さらに25日になり、実際には3門だったことが明らかになり、非難の声が上がっている。

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