タワーレコード渋谷の正面エントランスに飾られた<BEAST>PR看板
タワーレコード渋谷の正面エントランスに飾られた<BEAST>PR看板
東京・渋谷にあるタワーレコードの正面には、韓国人気グループ<BEAST>が今月24日に日本でリリースしたアルバム『Japan Premium Edition』をPRする大型看板が掲げられている。店内へ入ると、同じく24日に発表された人気ガールズグループ<KARA>の日本1stアルバム『Girl's Talk』が流れ、彼女たちの大パネルが目に飛び込んできた。そして、目を横にやると“野獣グループ”として女性からの支持が高い男性グループ<2PM>のDVD『Hottest: 2PM 1st MUSIC VIDEO COLLECTION & The History』の販売コーナーが設置されていた。

BEAST の最新ニュースまとめ

同レコードショップの風景をみると、韓国アイドルグループが、それだけ急速に日本の音楽市場へ進入していったのか、一目瞭然だった。

-日本の音楽業界、K-POP全方向のマーケティング
日本デビューを果たした韓国歌手のCD販売コーナーと別途に設けられた“K-POP LOVERS”の設置コーナー。同空間には、<KARA>が公演で着用した実際の衣装と直筆サインが展示され、<BEAST>の大型パネルも飾られている。また、<KARA>、<少女時代>、<BIG BANG>、<SUPER JUNIOR>、<JYJ>、<Wonder Girls>、<2PM>、<2AM>、<CNBLUE>、<After School>、<U-KISS>などが韓国で発売したアルバムが並べられている。

タワーレコードスタッフは「韓国歌手のアルバムが、ことしに入り大人気となっており、タワーレコードのウィークリーTOP10にも<FTIsland>や<KARA>のアルバムがランクインしている。5階にあるK-POPコーナーには、<BEAST>や<KARA>の等身大パネルを展示しているが、パネル前で記念撮影をするお客様が多い」と、K-POP人気を語る。

タワーレコードを約5m下ると、20~30代の女性たちが列をつくっているのが見えた。この列は、来月8日に日本へ進出する<2PM>プロモーションの一環として行われている“2PMカフェ”へ入店しようとしている女性たちだった。カフェには、<2PM>メンバーの大型パネルが展示されており、店内には<2PM>の曲がエンドレスで流れていた。

同カフェにきていた女性ファン(31)は「<2PM>は、日本の男性グループにないパワフルで躍動的な魅力をもっている。来月に開催される日本初ショーケースを楽しみにしていている」と語った。」

-優秀なコンテンツが“長所”、ジャンルの多角化が“課題”
日本の音楽関係者たちは、このような変化には日本の需要と韓国の供給が合致した構造的な背景があると話す。

日本の大手レコード会社関係者は「日本の音楽業界が低迷し、エイベックスやソニーミュージック、ユニバーサルミュージックなど大手レコード会社らが、新人開発より収入創出に直結するコンテンツを探していた。歌、ダンス、外見全てが優秀といえる韓国のアイドルグループたちが、日本ファンの“目の高さ”にマッチするコンテンツであり、これに合わせるように韓国歌手たちも日本へ進出したいと、積極的に門を叩いていたといえる」と分析する。

このタイミングで、日本市場に進出した韓国アイドルグループたちは、日本の新世代を引きつけるのに成功。27日に行われた<BEAST>のショーケースに足を運んだ観客も10~20代が大多数だった。

現在活躍している韓国アイドルグループが“新世代ファンダム”(※ファンダム:熱心な ファンによって形成されたサブカルチャー)を形成した要因は、ボーカルにダンスの実力、洗練された容姿、そして音楽が全てのグループに共通していえる評価だ。

<BEAST>の公演に来ていた姉妹ファン(20代女性、30代女性)は「テレビで偶然<BEAST>を見て、インターネットで音楽や映像など情報を探した」とし、「(ネットでの)情報を通して彼らの魅力にはまり、CDを購入してショーケースにも参加した。<BEAST>は、ボーカルとパフォーマンスが本当にかっこいい」と興奮したようすだった。

<BEAST>の所属事務所であるキューブエンターテイメントのホン・スンソン代表は、韓国の優秀なコンテンツ制作基盤となる歌手の育成、プロデューシングシステムを日本音楽が高く評価している、と語る。

ホン代表は「ユニバーサルミュージックが韓国、日本、中国で人材を見つけ、韓国でトレーニングさせた後、アジア圏でデビューさせることを提案している。韓国式のトレーニングを行い、韓国で制作した音楽を歌わせる日本グループをつくろうという計画も現在検討中だ」と説明した。

しかし、似たり寄ったりのグループ、流行のグループだけを進出させる“傾き構造”が続いていく場合、K-POPは短命になってしまう、という懸念もある。ホン代表は「日本には、1,000~2,000席規模の会場インフラが整っている。先ごろ、日本での公演を成功裏に終えたボビー・キムなど、様々なジャンルの歌手がステージを通して“多様性”を見せることができれば、K-POPは一時的な流行ではない持続性をもったジャンルとして、地位を築くことができる」と語った。

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