カンヌ映画祭に出席したキム・ギドク氏=(AFP=聯合ニュース)
カンヌ映画祭に出席したキム・ギドク氏=(AFP=聯合ニュース)
映画「Arirang(アリラン)」で3年ぶりに復帰しカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で最高賞の「ある視点賞」を受賞したキム・ギドク監督が8日、韓国映画界に対し、「賭博場のようだ」と苦言を呈した。

 カンヌ映画祭以降、海外に滞在しているキム監督は、制作に携わった映画「プサンゲ」(チョン・ジェホン監督)の公開を前に配布したインタビュー資料で心中を明かした。「果たして、これ以上新しい映画が出るだろうかという考えもある」とも述べた。
 キム監督は、15年間19本の作品を監督して脚本と制作も担ったとした上、これまで韓国映画界の矛盾をたくさん見てきており、話にならないほどあきれることも経験したと打ち明けた。映画界も人が住む世界なのに、自分は純粋に見ていたようだと振り返った。

 映画「アリラン」も韓国映画界を真正面から批判したドキュメンタリーで、キム監督自ら主役として登場した。政府や知人に対する苦言も盛りこまれており、国内で波紋が広がっていた。韓国での公開は予定されていない。
 一方、「プサンゲ」は(映画制作の)資本システムを替えることのできる初の映画だと紹介。映画人の情熱と映画のテーマ、真の映画価値を通じ、壁を乗り越えると強調した。

 「プサンゲ」はソウルから平壌まで何でも3時間内に届ける正体不明の運び屋(ユン・ゲサン)が、北朝鮮から亡命した高官の女性(キム・ギュリ)を韓国に連れてくる過程を描いている。
 キム監督の教え子のチョン・ジェホン監督の長編デビュー作で、ユン・ゲサン、キム・ギュリら俳優とスタッフがノーギャラで参加した。公開は23日。

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