タンカーの事故現場を訪問し、涙を流す遺族=16日、仁川(聯合ニュース)
タンカーの事故現場を訪問し、涙を流す遺族=16日、仁川(聯合ニュース)
【仁川聯合ニュース】韓国北西部の仁川沖の紫月島付近で15日午前に発生したタンカー(4191トン)の爆発事故は「人災」だった可能性がある。
 仁川海洋警察署によると、同船は仁川にガソリン6500トンを降ろし、中西部の大山港に戻る途中だった。仁川を出発してから約1時間30分後、原因不明の爆発が起き、乗組員5人が死亡、6人が行方不明となった。
 仁川海洋警察署は16日午前、遺族と行方不明者の家族に対し、事故は貯蔵タンクに残っていた油蒸気が爆発した可能性が高いと説明した。
 業界関係者らは船社側が大山港の入港時間に間に合わせるため、油蒸気を抜く作業とタンク内に残っていた軽油を取り除く作業を急ぎ、事故が起きたとの見方を示している。
 関係者によると、タンク内の油類を取り除く作業だけでも4~6時間がかかるという。出港1時間30分後に爆発したのは、油蒸気が抜かれていない状態で除去作業が行われた可能性を裏付ける。
 船員らはタンク内で静電気が発生することを防ぐため、静電気防止服を着用し、綿のタオルを使っているが、完全には防止できないという。2001年1月、韓国南部の巨済沖で3人が死亡し、6人が行方不明となったタンカー爆発事故もタンク内で静電気が引火し、爆発したのが原因だった。
 今後、船社側の安全管理が問われることになりそうだ。

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