イ教授=(聯合ニュース)
イ教授=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島訪問や天皇謝罪発言で対立が深まる韓日関係について、韓国の国際政治専門家2人が26日、聯合ニュースの取材に応じた。国民大学国際学部のイ・ウォンドク教授は両国のあつれきは先週をピークにひとまず落ち着きを取り戻すと予想した。一方、民間シンクタンク、世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本研究センター長は、両国の関係が1965年の国交樹立以前の段階に戻ってしまったと述べた上で、「日本は力による外交政策に転換した」と指摘した。以下は両氏の一問一答。

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 (イ・ウォンドク教授)
――韓日対立のレベルは
「先週をピークに今後は落ち着きを取り戻す方向に進むだろう。24日の野田佳彦首相の会見内容を詳しくみれば、(独島の)紛争激化を警戒していることが分かる。日本は対立をあおったり、韓国の脅威となるような物理的な攻撃には出ないだろうが、国際広報の強化などに乗り出すことが予想される」

――両国関係は1965年の国交樹立以降で最悪か
「最悪ではないが、金大中拉致事件や在日韓国人による朴正煕大統領(当時)夫人の射殺事件があった1970年代以降では際立った状況になっている」

――韓日対立の要因は
「日本の持続的な独島問題の挑発で李大統領が独島を訪問したが、独島訪問は(韓国にとって)戦略的選択肢の一つだ。大統領の天皇謝罪要求発言が現在の状況を引き起こしたことは否定できない。韓国国民は天皇が謝罪すべきだと思っているが、(発言の)時期と方法が適切だったのかどうかは議論の余地がある」

――日本政府と李政権の対立は一線を超えてしまったのか
「そうだ。来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での両国首脳会談は難しいだろう。閣僚級対話も困難になった。両国の溝は深まった」

――今回の対立の影響は
「韓国にとって良いことはない。日本は友好国であり協力パートナーなのに日本国民の感情まで悪化した。日本は独島の紛争地域化広報で有利になったと思っているかもしれないが、独島の主権が変わることはない。国民感情を伴った対立で両国の品格は傷ついた」

――日本の副大臣が泳いで独島に渡るイベントに参加した俳優ソン・イルグク氏の日本訪問は難しいと発言した
「それについては、日本は良くないカードを切った。東アジアや国際政治経済では政経分離が暗黙の了解になっている。領土問題や歴史認識での対立が文化や経済に及ばないようにしないといけない」

 (陳センター長)
――現在の韓日対立をどう思うか
「野田首相が親書を送ってきた後、感情的な対立が目立つようになり懸念している。野田政権は長く続かないため、出せるカードはすべて出すのだろう」

――ここまで対立が悪化した理由は
「李大統領の天皇謝罪要求発言が影響を与えたが、日本の韓国に対する政策も大きく変わってしまった。これまでは歴史認識問題などでやや配慮していたが、『韓国に譲歩してはいけない』という認識の下、力による外交をしていくとの感じを受ける。日本の外交政策の転換によって両国の関係は1965年の国交正常化以前に戻ってしまうだろう。今回の対立が、これまで積み上げてきた両国間の信頼を損なった」

――対立を収める方法は
「この1週間が山場だろう。韓国政府が日本の国際司法裁判所(ICJ)共同提訴に抗議する口上書(外交文書)を送るまで、日本政府は言うことを言ってくるだろう。この時期に韓国政府は日本政府に明確なメッセージを伝えることが重要だ。日本が今後も感情的に対応してくるなら、東アジアの平和や安定に影響を与え、日本の国益にならないということなどを伝えなければならない」

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