SBSテレビのある関係者は、以前にも何度か韓日関係が悪化し、そのたびに韓流への影響を懸念する声が出たとした上で、「結局何の影響もなかった。もちろん、注意して見守っている状況だが、今回も経験上、大きな影響はないと思っている」と話す。
その他の芸能関係者も今回の事態を注視しているが、韓流への影響を悲観的にみたり、今後の活動計画を見直す動きはみられない。
◇「韓流」定着の可能性も
独島に上陸する遠泳リレー行事に参加した韓国人俳優ソン・イルグクに対し、山口壮外務副大臣が「これから日本に来るのは難しくなるだろう」と入国禁止をにじませる発言をしたり、BS日テレとBSジャパンが主演の韓国ドラマの放映を延期したりするなど、雰囲気は一見険悪に見える。
K-POPが世界市場に進出し、動画投稿サイト「ユーチューブ」などソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の発達で韓流と海外の人々との距離は縮まったが、日本は依然として最も大きい市場であるため、韓流関係者は韓日関係に敏感になっている。
しかし、今のところソン・イルグク以外に影響を受けたといえるものはない。ある韓流スターが予定していた日本のクレジットカードの新商品プロモーションが延期されたが、所属事務所側は、今回の事態の前にスケジュールの都合で延期になったと影響を否定した。
韓国のテレビ局関係者の間では、来月5~7日に韓国で開かれるアジア最大規模のテレビ番組国際見本市「国際放送映像見本市」(BCWW)が、今の日本国内の雰囲気を見極める場になるとみている。同見本市は、毎年日本のバイヤーが多数参加する催しだ。
SBS関係者は「日本のバイヤーがどう判断するのか、日本の実際の雰囲気をみられるのではないか」とした上で、日本のバイヤーから直接話を聞いてみるつもりだが、韓流に影響はないだろうと話した。
だが、今年2月に日本国内の右翼勢力が過去に独島キャンペーンを行った女優のキム・テヒのCM発表記者会見を中止に追い込んだときとは違い、今回は日本の政治家が韓国に対する非難を口にしている。
同SBS関係者は、日本国内の嫌韓、反韓感情は常に潜伏しているとみるべきだという。その問題を常に抱えていかなければならないとし、「むしろ雨降って地固まるというように、今回の事態以降、政治的な問題とは無関係の一つのジャンルとして、韓流が定着するきっかけになる可能性がある」と話した。
◇「文化は政治ではない」
一部では、韓流スターが先頭に立って「独島はわが国の領土」だと主張すべきという意見もある。日本の大衆に及ぼす影響力が大きいため、こういうときこそ先頭に立つべきだという主張だ。
ただ、ある芸能プロダクション関係者は、「芸能人も自分の意見があり、主張があれば表現する自由はある。だが、それを強要したり否定するのは不当だ」とし、韓流スターが積極的に独島の領有権を主張することに慎重な姿勢を見せている。
文化と政治を分けて考えてほしいというのが多くの芸能関係者の願いだ。
別の芸能プロダクション関係者は、「今まで韓流スターとして韓国のイメージを向上させ、外交官、政治家以上の肯定的な役割をしてきたのに、政治家の役割を求めるのは不当だ」とし、今回の事態は政治で解決するものだと話した。
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