9月19日に無所属の安哲秀(アン・チョルス)氏が立候補を表明し、与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補と最大野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補による三つどもえの構図が形成された。安氏の立候補表明後の世論調査では朴氏が不動の1位、安氏と文氏が2位と3位で互角の戦いを繰り広げるという状況が1か月以上続いている。
だが、朴氏対安氏、朴氏対文氏の2者対決を想定した場合はどちらも接戦となる。実際に野党陣営の候補が安氏もしくは文氏に一本化されれば、さらなる激戦が現実味を帯びてくる。
安氏と文氏の両者とも朴氏との3者対決では勝算がない上、政権交代を熱望する支持層の声を無視することはできないため、政界では野党陣営の候補一本化は想定内とみている。
ただ、安氏と文氏が政治改革で全面的に対立していることを踏まえると候補一本化の過程で激しい戦いが予想される。朴氏との勝敗にも影響が出ることから必ずしも一本化するとはいえないという声も聞かれる。
また一本化の過程で両者の支持層が対立することにより、一本化の効果が得られない可能性もある。
選挙の結果を左右する野党陣営の候補一本化の動きに対し、朴氏陣営はこのまま三つどもえの構図が続くことを期待している。
だだ、野党陣営が候補を一本化するという予想が現実化しているため、朴氏が2005年まで理事長を務めた正修奨学会など足かせになっている問題をいったん切り離し、「国民大統合」への歩みを加速化させていくものとみられる。また中道層攻略と野党陣営の候補一本化に対抗する腹案をまとめたとされる。
朴氏が提唱した国民大統合の土台となっている保守層の結集の行方が、今後の政局を揺り動かす可能性もでてきている。
朴氏は故金大中(キム・デジュン)元大統領の秘書室長を務めた韓光玉(ハン・グァンオク)元民主党常任顧問を陣営に迎え入れ、保守系野党で中部・忠清道に地盤を持つ先進統一党を吸収合併した。
今回の大統領選挙は歴代大統領選挙で最も激しい戦いが予想され、当日の投票率が勝負を分ける決定的な要因とされる。
特に50~60代は朴氏を、20~30代は文氏もしくは安氏を支持する現象がはっきりと現れるなか、いかに多くの支持層を投票所に導くかが勝負の鍵になる見通しだ。
専門家は朴氏の支持層は投票率が高く、安氏と文氏の支持層は投票率が低いという点を指摘し「年代別の投票率が勝負を決めることになる」と予想した。
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