左から俳優ソ・ヨンジュ、女優イ・ジョンヒョン、カン・イグァン監督
左から俳優ソ・ヨンジュ、女優イ・ジョンヒョン、カン・イグァン監督
「第25回東京国際映画祭」コンペティション部門に韓国映画として唯一進出し、審査員特別賞を受賞した映画「未熟な犯罪者」(監督:カン・イグァン)。

イ・ジョンヒョン(美しき日々) の最新ニュースまとめ

 犯罪を繰り返し保護観察中の16歳の少年ジグ(ソ・ヨンジュ)が天涯孤独の身となろうとするその時、死んだはずの母親ヒョスン(イ・ジョンヒョン)が13年ぶりに現れる。彼女は17歳の時に彼を産み、逃げたのだった…。平凡な日常を噛みしめる二人は、それまで隠されていた真実と向き合うことになる。なお、韓国では「犯罪少年」というタイトルで2012年11月22日の公開を控えている。

 生活力はないが、愛らしい新鮮な母親像を演じたイ・ジョンヒョンは、日本でも活動経歴を持つ人気歌手。一方の孤独な少年を演じたソ・ヨンジュは、「ヒーロー」や「ファッション王」など多くのドラマで活躍してきた名子役。今回、「第25回東京国際映画祭」において最優秀男優賞も受賞している。そんな二人が未熟すぎる母親と大人になれない少年という親子の物語を、繊細に演じきっている。

<b>-実際に少年院に行きリサーチしたそうですが、同年代の犯罪者に接して何か思うことはありましたか。</b>
<b>ソ・ヨンジュ</b>:最初は怖いと思いましたが、実際に会ってみると本当に平凡な少年・少女でした。話しかけることで、彼らも平凡な子になれるのではないかと思い、僕の方から近付いていくように心がけました。そうすると不思議と、(彼らに)近づけるようになって、そういう部分で自分自身が変わったなと実感しました。

<b>-母親と葛藤しながらも、母親のことを想うジグの姿がありました。演じてみて、その時の心境はいかがでしたか。</b>
<b>ソ・ヨンジュ</b>:最初、ジグは心を開きませんでした。母から心を開いて話しかけてくれたことで、ジグも心を開けました。そうしていくうちに母から捨てられたという思いも消えていって、母のことが好きになり、信じられるのは母だけになりました。しかし、また自分の前から去ってしまって…という繰り返し…。場面によっては、母に対する憎しみが募っていったかもしれません。

<b>-少年ジグに今後、どのような大人に成長してほしいと感じますか。</b>
<b>ソ・ヨンジュ</b>:ジグはお金を稼ぐ方法がなくて仕方なく窃盗をしていました。時間が経って、いろいろなことを悟って、いい大人になっていてほしいです。母親も自分の息子が犯罪少年という過去を背負いながらも、しっかりお金を稼いで幸せになっていくと思います。

<b>カン・イグァン監督</b>:今回の映画で描いたのは、二人が「会って・離れて」を繰り返す中での初期の頃で、お互いを知っていく一つの過程です。その後も、けんかをするなど平坦ではないでしょうし、別の経済的な問題も出てきたりと…新たな悩みにぶつかっていくと思います。しかしここでは、ヒョスンが勇気を出して息子に会う決心をしたことが大切でした。会うことでつらいことがあっても、会うことの大切さがあります。その後も助け合いながら生きてほしいと思います。

<b>-過去の痛みを抱えながら十数年ぶりに息子に再会するという内容に、演じる上で難しかった部分はありますか。</b>
<b>イ・ジョンヒョン</b>:最初、監督から「実際の未婚の母は見た目がお母さんらしく見えない、友達みたいな感じの人が多い」ということで、私をキャスティングしたと聞き、ありがたいと思いました。演技が上手にできるかとても心配で、未婚の母の感情を知りたいと思いドキュメンタリーをたくさん見て、心理状態を探っていきました。

<b>-ジグの犯罪は両親がいなかった環境も影響していると思います。ご自身が演じたヒョスンに今後どのような母親になってもらいたいと感じますか。</b>
<b>イ・ジョンヒョン</b>:ヒョスンは致し方なく、もう一度飲み屋で働くことになりました。借金をはやく清算して、普通の家庭を持とうと思ったのだと思います。借金がなくなれば、いい職業に就けますし、息子を信じて希望を持つこともできます。苦労をするかもしれませんがおそらく幸せになっていくと思います。彼女自身、二度と堕落するのは嫌だと思っていたはずです。ハッピーエンディングになるでしょう。

<b>-映画「未熟な犯罪者」を撮り終え、改めて感想をお聞かせ下さい。</b>
<b>イ・ジョンヒョン</b>:最初、犯罪少年や未婚の母に対して、よくない視点を持っていました。責任感がなく、社会から捨てられるべき人ではないかと思っていました。しかし、よくよく知ってみると、社会から守られず、大衆や家族から疎外されていることに、哀れだなという気持ちが募っていきました。性教育も受けられずに、家庭からも捨てられてしまった結果、未婚の母になるというケースもあって…そういう人たちがどうにか守られてほしいと思いました。

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