スエ
スエ
「私は”夢”というものがない子どもでした。早く結婚して、安定した生活を送ることだけを考えていました」

スエ(女優) の最新ニュースまとめ

 24日、社会福祉共同募金会に1億ウォン(およそ750万円)を寄付し、個人大口寄付者の集まりである「オーナーソサエティー」の200番目の会員として加入した女優スエは、1億ウォンを喜んで寄付した理由をこのように説明した。

 1990年代、ソウル冠岳区(クァンアッグ)奉天洞(ボンチョンドン)の貧民街で育ったスエは、靴の修理を仕事とする誠実な父親と愛にあふれた母親の間で育ったが「夢があったとしても、叶える機会や希望がない」という現実を幼くして悟ったという。

 彼女は「自分から欲しいと思うものもなく、諦めも早い子どもだった」と幼少時代を振り返った。

 そんなスエは11年前のある日「1年だけ女優になるための準備をしてみよう。その後、叶わなければ諦めよう」と話すチョン・ヨンボム代表に出会う。

 高校を卒業後、雑誌モデルをしていたが、厳しい家庭の長女だというプレッシャーから成功するかもわからない女優という職業は、夢さえみることのできないものだった。

 後に、韓国映画界を代表する感性の女優になるスエは、当時を振り返り「私に夢を与えてくれて、その夢を支持してくれる人が現れたことで、自信が生まれました。『ひとりじゃない』と思えるようになったんです」と語る。

 スエは「思い返してみると、幼い頃の私は”井の中の蛙”でした。誰かの助けで世界に飛び出たように私の寄付で子どもたちが、世界がどれだけ大きくて広いのか感じて、何かになりたいという希望と夢をもってくれたらうれしいです」と話す。

 このような理由から、今回寄付した1億ウォンは自身が生まれ育った地域の子どもたちが夢をもてるように使ってほしい、と願う。

 またスエは数年間、障害児童が週末に農場体験をできるように後援している。同年代の子どもたちと同等な体験をしてほしい、という気持ちからだ。
 
 デビュー後、余裕ができてからはいくつかの団体に寄付を行い、ボランティア活動にも参加してきたスエ。今回は、より積極的に寄付活動をしたいと自ら記事を探して寄付先を決定したという。

 スエは「以前は、寄付やボランティア活動をすることがどこか恥ずかしいように感じて、隠れて行っていました。しかし、分かち合いの拡散という主旨に共感して、表に出るようになりました」とし、「分かち合いをすればするほど、幼い頃に経済的に厳しかった状況でできた心の傷が癒され、自ら振り返るきっかけにもなりました」と語った。

 「何かに向き合い乗り越えようとするとき、夢と希望が本当に大きな力になるということを忘れてほしくないです。その夢が現実となるように、私も応援していきます」

 スエは経済的な問題、そして障害など厳しい環境にいる子どもたちへ「厳しい生活の中で、夢や希望を失わないということ事態が、その子どもたちにとっては難しいということは理解しています。それでも、どんな生活の中でも自信と夢、そして希望は見失わないで」と呼びかけた。

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