あふれる技巧に手が見えないほどの速い演奏。韓国の家族に見せようとYouTubeに載せたこの演奏が、ピアニスト、イム・ヒョンジョンを一躍スターにした。EMIクラシックと契約し昨年発表した、新人としては初めてとなるベートーヴェンのピアノソナタ全曲を収めたデビューアルバムで、韓国人として初めてビルボード・クラシックチャートの頂点に輝いた。
ステージデビューも名誉あるロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行い、世界的に有名なオーケストラとの共演が続くなど、着々とクラシック界の主流で成長してきた彼女がついに韓国で演奏を行う。ベートーヴェンはもちろん、ショパンやラヴェルまで…彼女自身に多くの影響を与えた演奏家たちの作品を披露することになる。
「YouTubeのスター」「大胆な新鋭」、彼女を説明するさまざまな修飾語。その中にはデビューアルバムの作品解説を自ら書くなど、音楽の本質を暴こうとする努力があった。人々にインスピレーションを感じてもらえる音楽家になりたいという彼女。イム・ヒョンジョンの夢が少しずつ実ろうとしている。