【サンフランシスコ聯合ニュース】米サンフランシスコ国際空港で韓国のアシアナ航空機(ボーイング777型機、乗員乗客307人)が着陸に失敗して炎上した事故の原因は、パイロットの操縦ミスだったとの見方が強まっている。
 米運輸安全委員会(NTSB)のハースマン委員長は8日(現地時間)の会見で、「パイロットへの聞き取り調査を重点的に行っている」と明らかにした。事故機をどう操縦していたかのほか、これまで受けてきた訓練や飛行経験についても調べているという。NTSBはさらに3日間程度、機長と副機長に対する聴取を進める計画だ。
 こうした発言は、パイロットの操縦ミスの可能性が高まっていることをうかがわせる。
 また、NTSBは前日の会見で明らかにした通り、事故機が滑走路に近づく速度が遅かったこともあらためて確認した。フライトレコーダー(飛行記録装置)の解析資料によると、衝突16秒前の事故機の速度は時速122キロで、適正速度の157キロを大きく下回り、エンジン出力は50%にとどまっていた。そこから出力を上げようと試み、衝突時の速度は136キロに上がった状態だった。操縦席では失速警報が出ていた。
 パイロットが自動操縦していたか、手動だったかも調査対象だ。事故機は自動着陸が可能だが、事故当時に関連装置が作動していたかはまだ明らかになっていない。
 ハースマン委員長は、パイロットのミスと断定することには慎重な姿勢を示した。「航空機事故はさまざまな問題が複合的に作用するため、あらゆる可能性を検討する」と話した。多数のメディアが指摘するパイロットの飛行経験の少なさについても、パイロットが違う機種を操縦したり初めての空港に着陸したりすることはよくあることだと説明。機長と副機長の協力状況も調べたが、当時の2人の対話に問題はなかったとした。
 NTSBは機体に対する調査も進める。着陸時にちぎれた尾翼部分は海の岩の間から発見されており、当局が近く引き揚げ、精密調査に着手する方針だ。海辺にはほかにも事故機の残骸が散らばっている。
 一方、この事故による2人の死者のうち1人は、現場に駆けつけた緊急車両にはねられて死亡した可能性が指摘されている。ハースマン委員長は、空港の監視カメラを分析する一方、正確な死亡時刻も確認中と説明した。
 今回の事故では2人が死亡、182人がけがをした。このうち約50人は重傷だという。

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