米下院外交委員会東アジア担当専門委員を務めた米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員教授、デニス・ハルピン氏が13日(現地時間)、同文書の主要内容と表紙の写真を聯合ニュースに公開した。
この文書は1992年3月に機密等級が解除され、2006年から米議会が慰安婦決議案採択を推進する際に、日本政府が慰安婦動員に直接介入し慰安所を組織的に運営していた証拠資料となった。また、当時のブッシュ政権により議会に提出され決議案通過に大きく貢献した。
マッカーサー最高司令官の名前で1945年11月15日に連合国軍総司令部が作成したこの文書は、「性的奴隷」である慰安婦制度の大綱を盛り込んだもので、朝鮮半島とビルマ(現ミャンマー)などで慰安婦動員および慰安所運営に日本軍がどう介入したのかについて、詳細な内容を提供するものだ。
2006年に当時のヘンリー・ハイド下院国際関係委員会(現・下院外交委員会)委員長に提出されたこの文書のタイトルは「日本軍慰問施設(Amenities in the Japanese Armed Forces)」。
ハルピン氏は「この報告書は、慰安婦システムに日本軍は公式的に介入しておらず、私的な事業だったとする日本の右派勢力の主張がうそであることを立証するものだ」と説明した。
報告書の結論では「厳格な規律の下での慰安所設置は、日本軍が駐屯する一定規模を超える全ての地域で軍当局の承認を受けた」と記されている。
また、戦争捕虜などの証言を引用し朝鮮半島にいた日本人事業家らが日本軍の要請を受け、朝鮮の女性らをビルマなどに連れて行く過程で日本軍の許可を得たと記述されている。
さらに、ある捕虜が22人の19~31歳の女性を300~1000円で買い取り、日本軍から無料乗船券をもらって釜山から船で女性らを日本軍の駐屯地に連れて行ったという内容も記載されている。
女性らはビルマに到着後、日本軍歩兵第114連隊に配属され、中国・広州から売られてきた21人の中国女性、そして日本女性らと合流した。通行権や医療は日本軍が提供し、食べ物は日本軍の支援で慰安所の所有者が購入したと記されている。
報告書はまた、ナチス・ドイツの親衛隊(SS)にあたる日本の憲兵隊が慰安所周辺に存在した事実も記載し、兵士らが軍の機密を話題にしないよう監視していたとしている。
ハルピン氏は日本の軍当局が慰安婦の移動を担当したという点は、人身売買に直接介入したことを示唆するもので有罪を裏付ける証拠だと強調した。
米国の同盟国である日本に対する慰安婦決議案に当初は非協力的だったハイド元委員長も、この文書を見てから日本軍が慰安婦を強制的に動員したことを認識した。その上で、これを「明白な証拠(smoking gun)」と表現し、議会通過を積極的に支援した。
ハルピン氏は、「注目すべき点はブッシュ政権が機密等級が解除されたこの文書を日本政府が(慰安婦制度運営に)直接介入した証拠として議会に提出したことだ」と指摘した。併せて、クリントン前国務長官が1995年に大統領夫人として中国・北京で行った人権や女性の権利をテーマにした国連演説で、慰安婦を「強制動員された性奴隷」だと指摘したほか、昨夏にも同じ表現を使った点に言及した。
ハルピン氏は最近、読売新聞が社説で慰安婦の強制性を事実上否定したことについても苦言を呈した。
ハルピン氏は読売新聞に対し、マッカーサー最高司令官の下で作成された文書があり、ハイド元委員長が文書を「明白な証拠」と指摘し、クリントン前長官が「性奴隷」だと表現しても、「依然として同じ主張を展開するのか」と問いかけた。
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