最近、“直列5気筒ダンス”が流行している。「パパパ」という歌の主人公はガールズグループ「CRAYON POP」だ。急な人気の反作用だろうか、各種物議から抜け出せずにいる。大衆文化にまで広がった理念論議をどのように見たらいいのだろうか。

CRAYON POP の最新ニュースまとめ

 「第2の江南スタイル」と呼ばれ、独特な衣装と単純なメロディ、コミカルな振り付けで大衆の関心を集める「CRAYON POP」。先月、一部メンバーが右翼志向のネット掲示板に使用される前職大統領を卑下する表現を使ったとして物議となった。そして、しばらく静かだった物議が再点火した。最近、歌の人気が急上昇すると、再び人々の関心事の圏内に入ってきたのだ。

 広告モデルを務めていたAuctionでは、集団的に会員脱退運動が勃発し、結局、彼女たちが登場するホームページ広告を下げるに至った。サッカーの始蹴式も球団ホームページへの抗議が激しく、キャンセルとなった。パクリ疑惑も浮上。ジャージにヘルメットを着用した独特なコンセプトが、日本の有名グループをまねたというのだ。

 事態を重く見た事務所はホームページを通し「愉快なガールズグループであるだけで、政治的な思考表出は分からない」とノイズマーケティングではなかったと抗弁した。文化界では歌が理念論議に包まれるのは望ましくないとの意見が強いながらも、一方では、意図と関係なくノイズマーケティングが持ってきたブーメランだと指摘する。

 「CRAYON POP」を取り巻いた今回の事態は、社会の消耗的な理念論議があると共に、歌謡マーケティングの適切水準に対する苦悩も投げかけている。