【高陽聯合ニュース】韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を扱ったドキュメンタリー映画「天安艦プロジェクト」(原題)が、予定通り5日から韓国で公開されることになった。
 議政府地裁高陽支院は4日、2010年3月に発生した哨戒艦事件の関係将校や犠牲者遺族ら5人が行った同作上映禁止の仮処分申請を棄却した。
 地裁は決定文で「映画の製作、上映は原則的に憲法上の表現の自由によって保障される」とした上で、映画は事件を北朝鮮の魚雷攻撃によるものとした民間・軍の合同調査団報告書と異なる意見や主張を表現したものであり、報告書に虚偽があると指摘して申請人の名誉を傷つける作品と見るのは難しいと判断した。
 また「表現行為に対する事前抑制は検閲を禁止する憲法条項により、他人の法益(法によって保護される利益)を侵害する場合であっても極めて制限的になされる」と指摘。「映画は天安の事故原因について提起された疑惑に対する議論の必要性を表現しようとする目的で製作されていて、虚偽があると指摘していると見ることはできない」とした。
 鄭智泳(チョン・ジヨン)監督が企画・製作した同作は白ニョン島近隣の海域で発生した沈没事件に関連して提起された様々な疑惑を75分の映像に収めている。
 4月に全州国際映画祭で初めて公開されて話題になった。同作に対し、事件当時に海軍作戦司令部作戦参謀処長だった准将や「天安艦遺・家族協議会」の会長ら5人が先月7日に「映画の内容が事実を歪曲(わいきょく)し、当事者らの名誉を傷つけている」として上映禁止の仮処分を申し立てた。
 仮処分申請が棄却されたことにより、映画は予定通り5日から全国30の映画館で公開される。
 ただ、海軍将校や遺族側が1週間以内に控訴すれば仮処分に対する審議はソウル高裁で再び行われる。
 申請人の法務代理人を務める弁護士は「控訴するかどうかは内部で話し合ってから決める」と述べた。

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