【世宗、ソウル聯合ニュース】韓国政府は最近のウォン高・ドル安が景気の回復に冷や水を浴びせかねない要因とみて、対応を強化することにした。ウォン高はしばらく続く見通しで、輸出競争力の脆弱化、内需と設備投資の不振などにつながりかねないことから、ウォンの安定を誘導する方針だ。
 企画財政部の高官は28日、「韓国経済がようやく回復期に差し掛かろうとしているが、ここで止まってしまうと当分は回復を期待しにくくなる。為替が悪影響を及ぼすのを座視しない」と述べた。為替が韓国経済の不透明性を拡大させるとしながら、24日に政府と韓国銀行(中央銀行)が共同で口先介入したことに触れた。
 24日のソウル外国為替市場でウォンの対ドル相場が取引時間内に年初来高値を更新したことを受け、企画財政部と韓国銀行は約5年ぶりに口先介入に乗り出している。
 玄オ錫(ヒョン・オソク)経済副首相(企画財政部長官)は先ごろ、「ウォン高の進行速度を引き下げなければならない」と発言。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁も25日、「(為替相場の)変動性が大きくなりすぎないようにする手段がいくつかある」と話した。
 海外の投資銀行(IB)も為替の変動性を懸念したり、当局による措置の必要性を指摘したりしている。
 ウォンの対ドル相場は、米国の量的緩和縮小先送りの影響で、約1か月で1ドル=1100ウォン台から1060ウォン台に上昇した。専門家の間ではウォン高が来年上半期まで続き、1000ウォンまで上がるとの見方も出ている。高麗大学の呉正根(オ・ジョングン)教授は「適正水準より100ウォンほどウォン高で、すぐにも輸出が大きな影響を受けるだろう」とし、政府の対策が必要と強調した。

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