崔賢氏は抗日パルチザンとして金日成(キム・イルソン)主席とともに戦った。金主席よりも年上でパルチザンとしての名声も上だったが、金日成・金正日(キム・ジョンイル)父子に最後まで忠誠を尽くしたことで知られる。
朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は20日、崔賢氏の実名を挙げ、同氏が金正日総書記に誠実に仕えたと称賛する記事を掲載。同氏について「二つの大戦(抗日闘争と朝鮮戦争)の硝煙弾雨をくぐり抜けた猛々しい百戦老将」だったが、「若き将軍様(金総書記)の先軍霊将らしい風ぼうと偉大さに魅惑され」「将軍様に仕えるときは天下が足元にあるかのようにこの上なく喜んだ」と説明した。
また、1963年8月に金総書記が白頭山を訪れた際、随行していた崔賢氏は金総書記の影を踏まないよう注意を払っていたというエピソードも紹介した。
北朝鮮は崔賢氏を持ち上げることで、息子である崔竜海氏こそがパルチザンの血統、忠臣の血統であり、金日成・金正日・金正恩(キム・ジョンウン)と3代続く「白頭血統」を擁護するのにふさわしいと強調したものとみられる。
労働新聞がことさら「先軍」を強調したことも、崔竜海氏が軍の代表であることを踏まえると注目に値する。
同紙は金総書記が1960年に「柳京洙(リュ・ギョンス)第105タンク(戦車)師団」を訪問した逸話、朝鮮戦争の最中だった1952年7月に金主席から1丁の拳銃を譲り受けた逸話などを紹介した。いずれも北朝鮮で「先軍領導(指導)」の象徴と受け止められるエピソードだ。
韓国の梁茂進(ヤン・ムジン)北韓大学院大教授は「金正恩政権が『先軍』を強調しているのは、張成沢氏の粛清後、重要な権力基盤である軍部の士気を高めるため。この先、崔竜海氏の役割が増すものとみられる」と話している。
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