ORANGE CARAMEL の最新ニュースまとめ
「ORANGE CARAMEL」が最近、3番目のシングルでカムバックした。パキスタンの民謡「Jutti Meri」をモチーフにした新曲「Catallena」(カタレナ)である。早々、各種音源チャートで順調に順位を上げている状況であった。
数年前、日本でもインド風のリズムとダンスのPVが紹介され、流行っていた時期があったが、洋楽のリズムに凝ってきた韓国の音楽ファンにも、インドやパキスタン風の南アジアのリズムは新鮮な感じなのか、ヒットの前兆も見えてきた。しかし、その流れに危機が訪れた。
「韓国のNHK」と言われる放送局KBSが、この曲のPVが「人命を軽視する」内容を含めているとの理由で、放送禁止を決めたわけだ。「Catallena」のPVでは、「ORANGE CARAMEL」レイナ、ナナ、リジの3人が各々寿司ネタの「サバ」、「サーモン」、「エビ」に扮している。
3人は、スーパ用の発泡トレイに乗っていて、ラップに包まれている。その上、価格表シールが張られている。時間が経つにつれ、値段は安くなったり、ラップのせいで呼吸困難気味になったりする場面もある。
一方、「Catallena」を象徴するお高い「タコ」は、3人の憧れの的。後ほど、寿司になった3人は、回転ずしのコンベアーの上で、すれ違う「タコ」に再会する。斬新なアイディアと水色を多用し、レトロな雰囲気でまとめたPVだ。
韓国で女性を「食べ物」に扮させる時点で、そして、「価格表」を張った時点で、「女性を商品化する」との非難のリスクはあったはずだ。伝統的には儒教の国であり、今は政府組織としては珍しく「女性部」(女性省)までが存在し、フェミニズム運動が活発な韓国だからだ。ある程度それを予測したのか、この曲を舞台で歌う時は、PVで使われた「寿司」衣装以外にも、「ドーナッツ」や「ケーキ」コンセプトの衣装も準備してきたようだ。
一つ残念なのは、「サーモン」だ。この鮮やかなピンク色と脂の乗った白いすじの模様は、どう見ても、マグロの「トロ」や「ビントロ」くらいにしか見えない。まあ、本場とは違い、寿司に対する韓国大衆の理解の限界なのかも。
余談だが、この「サーモン」に扮しているメンバーの名前は「ナナ」だ。「TC Candler」が毎年恒例の「世界で最も美しい顔100人」を発表しているが、今年はこのナナが第2位にランクインした。ちなみに、今年のランキングで、日本では、石原さとみ(32位)や佐々木希(41位)、桐谷美玲(46位)がランクインした。同ランキングは今年で24回目。世界の女優、歌手、モデルなどを対象とし、「顔の美学的な完成度」を基準にランキングが付けられる。
このナナは、和製ハンドバッグブランド「SAMANTHA THAVASA(サマンサタバサ)」のモデルにもなっていた。
PVの話に戻ろう。厳密に言えば、この映像は「PV」というよりは「MV」と呼ぶべきである。つまり、新曲の宣伝・プロモーションのために編集された30秒ほどのプロモーション・ビデオではなく、新曲の全てを収録した3分ほどのミュージック・ビデオである。
韓国の自国市場が狭く、世界化が生き残りの条件であるK-POP界。日本とともに世界一のIT(情報技術)やインターネット・インフラの最先進国らしく、韓国のK-POP界は「YouTube」などに新曲の全部をMVとして公開することが当たり前になっている。2012年、歌手「PSY」(サイ)の「江南スタイル」がYou Tubeの歴代再生数1位になり、世界的なブームになっていたことも、その結果であろう。
一方、KBSの放送禁止処分を受け、「ORAGNGE CARAMEL」の所属事務所の「プレディス」は「映像を修正してKBSに再審議していただく予定」と発表している。一方、「韓国のフジテレビ」や「韓国のテレビ東京」と言われているMBCやSBSは、今のところ、特に放送禁止のつもりはないようだ。
和食の寿司が韓国でこれほど話題になる事もなかったようだ。和食文化やアニメ文化の世界化のため、有識者会議を構成したばかりの政府に、「ORANGE CARAMEL」を推薦したい。「寿司広報大使」としては、いかがなものだろうか?
ORANGE CARAMEL 「Catallena」(カタレナ) Music video
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