クォン・サンウ の最新ニュースまとめ
経済的に恵まれ、早期留学したアメリカで、ギャングとして活動した黒い過去を持つ(?)大ボラ吹きのソンファン(ソン・スンホン)は、帰国後、2年遅れで高校に入学。20歳の今も現役の高校3年生。落ち着いた生活を送っているように見えるが、昔の血が騒ぎ、“危険なスリル”を夢見ることをやめられない。
出張ホストのバイトで、夜な夜なマダムを骨抜きにするウソプ(クォン・サンウ)は巷では名の通ったケンカ好き。何とか高校の卒業証書を手に入れようと、校内では一応、おとなしくしている。
そして唯一、日常の些細なできごとをカメラに収め、ホームページに掲載するのが趣味という、オタクな“普通の”高校生、ジヌォン。
性格も環境もバラバラではあるが、同じ教室で過ごすうち、何となく親しくなっていった3人。ある日、いつものようにつるんで街をフラフラしていた彼らの前に、空から大金が降ってきた…。
『ひとまず走れ!』で長編デビューしたチョ・ウィソク監督は、当時、弱冠26歳。監督・スタッフ・出演者のいずれもが20代ということで、話題性はともかく、完成度には疑問を唱える声もあった。しかし、フタを開けてみれば、映画全体に大きな欠点やこじつけはなく、ストーリーはむしろ理路整然としている。
泥棒が綿密な計画のもと、やっとのことで盗み出した巨額の金を、“棚ボタ”で、高校生があっさり手に入れてしまう、何とも皮肉な展開。しかも3人は、しばしためらいはしたものの、「俺たちがいただこうぜ」と、さしたる罪悪感もなしに、あっさり金を持ち去る。大金を手に入れた3人は、ブランドショップを回って札ビラを切り、全校生徒にピザをおごるなど、豪遊しているうちに、正義感の強い新米刑事の捜査網に引っかかってしまう…。
『ひとまず走れ!』には、青春映画にありがちな重苦しさ、説教臭さはまるでない。映画は重苦しい現実を払拭し、生の重さの代わりに“金の重み”で3人を強く結びつけ、泥棒兄弟、犯人検挙に血道を上げる新米刑事との、三つ巴の闘いになだれ込んでいく。
映画前半、スンファンがアメリカでギャング団にいた時、死を経験したという武勇伝を、後生大事に何度も繰り返すシーン、泥棒兄弟がテレビのチャンネル巡って争うシーンなど、チョ・ウィソク監督のシニカルな才知とセンスは、公開当時、高く評価された。
映画は自然な流れに身を任せ、ラストまであっけらかんと軽快に、一気に走り抜けていく。
「俺は火星へ飛ぶロケット、俺は制御できない衛星、俺は再装填されたセックスマシーン・・・」本国公開時、主題歌として使用されたクィーンの『Dont stop me now』のフレーズが、映画全体をうまく象徴しているといえるだろう。
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