強制徴用により秋田県大館市の花岡鉱山で働かされていた朝鮮人や日本人労働者など22人が死亡した「七ツ館事件」から70年を迎えた29日、現地で追悼式が行われ、両国の遺族や日本の市民が参加した。
行事に参加した全南科学大のキム・ジョンフン教授によると、同事件で死亡した韓国人徴用被害者の娘、チェ・グァンスンさん(75)の家族と日本人の遺族は、事故現場近くの信正寺境内に設置された弔魂碑に参拝した。
初めて事故現場を訪れたチェさんは、碑の前で「お父さん、なぜ娘一人残して異国の地で亡くなったのですか」と語り、おえつしたという。
七ツ館事件は1944年5月29日、花岡鉱山の七ツ館坑道で崩落事故があり、坑内にいた朝鮮人労働者11人と日本人労働者11人が死亡した事件。「事故」ではなく、「事件」と呼ばれる背景には、戦争に協力していた日本企業の事故後の処置がある。
坑道を運営していた藤田組(現DOWAホールディングス)の幹部は、事故現場から生存者が助けを求めて出しているとみられるハンマーの音などが聞こえたにもかかわらず、生産が遅れることを恐れ、救助作業を行わなかったとされる。
だが事故現場にいた朝鮮人労働者と日本人労働者が協力して救助作業を行い、朝鮮人労働者1人を救助したこともあり、両国の遺族の対面は意味深いものとなった。
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