40過ぎの2児の父親が、走り回るアクションを披露した。イ・ジョンボム監督作「泣く男」(原題)に出演した韓流スター、チャン・ドンゴン。アクション映画に出演するのは「友へ チング」(2001)以来、13年ぶりとなる。
「泣く男」では、「ブラザーフッド」(2004)や「マイウェイ 12000キロの真実」(2011)で見せた戦場の兵士とは異なる銃撃シーンを披露する。
「『マイウェイ』の時よりさらに多くの銃弾を使ったと聞きました。銃を使うシーンは色々な映画で撮影しましたが、今回は平然と慣れた手つきで銃を扱わなければならないという点で難しかったです。銃を撃つ時も目を閉じないように努力しましたが、簡単ではありませんでした。『マトリックス』のような映画では登場人物が急にサングラスをかける場面がありますが、理由があったんですね。目をぱちぱちさせる姿を見せないためだと確信します」
チャン・ドンゴンは2日、ソウル市内のカフェで行われたインタビューでこう話して笑った。
チャン・ドンゴンは難易度の高いアクションシーンを演じるために厳しいトレーニングも行った。トレーニングに入ればすぐに4~5時間は過ぎた。そんな生活を4か月半送った。
「はじめの1か月はとてもつらかったです。これまでのアクション映画では合計2~3週ぐらいトレーニングしました。それと比べると今回は最も多い時間を費やしました」
映画でチャン・ドンゴン演じるコンはあらゆる事を犠牲にし、自らが殺した女の子の母親、モギョン(キム・ミニ)を守ろうとする。組織を裏切ってまでそうすべきだったのだろうか、疑問が生じる。もう少し説明が必要でなかっただろうか。
「そのような点は映画を作りながら十分に悩みました。本来シナリオにコンが捨てられるフラッシュバックシーンがオープニングにありました。ですが、誤解される可能性がありました。コンがなぜ捨てられたのかというのは、この映画の主題ではないためです。モギョンを助けようとする理由は、モギョンの娘を殺したという罪悪感のためではなく、自分を捨てた母親のためです。主人公の行動は、自分を捨てた母親を許そうとする行為とかみ合っています」
チャン・ドンゴンの深い目は一生孤独に苦しめられたコンの野獣のような目つきを表現するのにふさわしいように思える。世の中に対する願望も大きいが、人生に疲れた殺し屋の孤独をチャン・ドンゴンは繊細に演じた。もちろんその過程はかなり難しいものだった。
「アクションシーンですら自分との戦いのような印象を込めなければなりませんでした。そこには自らが生きてきた人生に対する後悔と反省が含まれています。それでわざわざスタイリッシュには撮影しませんでした。体を使ったアクションはすさまじいです。自分の過去と戦うような感じで演じました。監督はアクションシーンを撮る時、全身ではなく、顔をクローズアップするとおっしゃいました。それだけアクション自体より感情が重要でした。ですが、今回の映画では感情をつかむのがとても難しかったと思います」
チャン・ドンゴンは「友へ」以降、重く暗い世界を生きていく映画に多く出演した。「ブラザーフッド」や「マイウェイ」がそれだ。「泣く男」はそのような暗鬱な世界観の決定版だ。
「『友へ』以降、そのようなキャラクターを扱った映画への出演依頼が多く入ってきました。基本的に暗いキャラクターが好きです。今回の『泣く男』はその憂鬱さの決定版のような感じです。今回はすべてを出しきろう、何の未練も残らないようにすべてしてみようという考えで臨みました。次は明るくて日常的な映画に出演したいです」
コンは米国で育った殺し屋のため、セリフの相当部分が英語になった。
「私は外国語での演技をたくさんしました。日本語、英語はもちろん、ロシア語とタイ語までしました。その中で英語が一番難しいです。韓国の観客がよく分かる言語だからだと思います。タイ語はとても自信を持って話すことができます(笑い)。ポイントだけ捉えて話せば、それらしく聞こえます。コンは米国で育ち、韓国語もうまい人物です。リアリティーを生かすのがほとんど不可能でした。英語はできるだけ正確に伝えるように練習しました」
トップスター、チャン・ドンゴンの最近の映画における興行成績は良い方ではない。「決闘の大地で ウォリアーズ・ウェイ」の観客動員数は43万人。約300億ウォン(約30億円)が投じられた「マイウェイ」は214万人を集めたにすぎない。チャン・ツィイーやセシリア・チャンらと共演した「危険な関係」は30万人にも満たなかった。ドラマ「紳士の品格」は大人気となったが、チャン・ドンゴンは最近「スランプ」に陥っていると語った。
「興行成績の問題ではありませんでした。原因が分からない内面のスランプに陥っています。イ・ジョンボム監督と仕事をすればスランプから抜け出すのに役に立たないだろうか考えました。この作品を完成させ、完全に抜け出したとは申し上げられないです。ですが、相当部分克服しました」
チャン・ドンゴンは慎重に作品を選ぶことで有名で、2~3年に1本程度しか出演しない。ウォンビン以外では、トップスター俳優としては寡作といえる。
「作品をうまく選べませんでした。興味を持てばするのですが、他の原因のために断ったことがあります。これからはプレッシャーから抜け出し、多くの作品に出たいです」
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