最近のテレビドラマではワイルドな男たちの香りが漂う。政界の暗闘から濃い兄弟愛まで、男たちが中心に立ち、線の太いストーリーがゴールデンタイムを占領した。

 体がぶつかりあう息が詰まるような追撃戦が繰り広げられる。拳の行き来は普通のこと。男たちのドラマがテレビを占領する。

 三兄弟を主人公にした「トライアングル」は警察、暴力団、賭博師までワイルドな男たちの世界が休みなしに騒ぎ立てる。「ゴールデンクロス」は腐敗した高位層に家族を失った一人の男の復讐劇を描き、「君たちは包囲された」は警察署強力班の話だ。

 男のドラマの先鋒には「鄭道伝」がある。実際の政権を彷彿とさせる権力争いから男たちの濃い友情と恨みまで、太いストーリーでぎっしり詰まったこの作品は男性視聴者の支持を受ける。

 重たい男たちの話に押され、正統派ラブストーリーやロマンチックコメディは探すのが難しくなった。ドラマ界では珍しい男性作家が執筆するという点も、男たちの世界を生々しく描けている要因とも言える。

 しかし、女性視聴者が主導権を握るテレビで、成績はそれほど満足行くものではないようだ。主な女性キャラクターがほぼ受動的という点も最近の世相と合わないという指摘がある。