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これまでも世界各国では「血液型性格説に科学的な根拠はない」という論文が発表されており、厚生労働省も「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」としている。
日本で「血液型別性格」や「血液型占い」などが支持されるようになったのは1971年に能見正比古 (のみまさひこ) 氏が発刊した書籍 「血液型人生論」(角川文庫)がきっかけだとされている。
そして、お隣の韓国でもこの書籍が翻訳出版され、その後もテレビ番組などで取り上げられたことで一気に国民的なオカルト思想として普及した。
今や日本以上に「血液型別性格」に敏感な国で、韓国人の75%が血液型と性格に密接な関係があると答えいるという。
日本同様、飲み会や合コンなどでも定番のネタとなっており、「恋人の血液型と相性」をめぐるトークも日常的に聞こえてくる話だ。
また、エンターテインメント業界でも血液型にまつわるコンテンツが度々製作されており、映画界では2004年にイ・ドンゴンが主演した「B型の彼氏」、ドラマ界では2010年のペ・ドゥナ主演のドラマ「サムデイ」が有名だ。
K-POP界でも女性歌手キム・ヒョンジョンの「B型男」(2004年)や「江南(カンナム)スタイル」でお馴染みの「サイ(PSY)」の「人生劇場-A型」(2005年)、ガールズグループ「f(x)」の「NU ABO」 (2010年)など多数の楽曲がリリースされている。
人気急上昇の男性アイドルグループ「B1A4」のアーティスト名も血液型の人数から由来している。さらに、テレビバラエティー界でも「U-KISSのバンパイア」(2010年)など、「血液型別性格」をコンセプトにした番組が放送されている。
このように日本と並ぶ世界2大「血液型オカルト国」の韓国だが、もちろん日本同様、特定の血液型の人に先入観を持ってしまうことが社会問題となることもあるので注意が必要だ。
一方、「血液型別性格説」のように科学的に未確認の主張も、時の経過とともに人々に受け入れられるケースがあるだろう。16世紀、ニコラウス・コペルニクスが唱えた「地動説」や17世紀にアイザック・ニュートンが裏付けた「万有引力の法則」などがいい例だ。
有史以来、人類は「科学の力」で文明を築いてきた。そして歴史に残る数々の偉大な発見も、「科学の力」で証明されて大多数の人々に支持されるようになるまでは単なる「主観論」または「迷信」として片付けられてきたのだ。
確かにこのような「科学至上主義」は、「間違いのない答え」を得るための判断法や考え方としては現在、唯一無二であることは間違いない。
しかし、宇宙の神秘やスピリチュアルの世界など、世の中には「科学の力」で解明できていない現象もまだまだ数え切れないほど存在する。もしかすると、100年後には、「宇宙は四角い」などという今の常識では考えられない学説が生まれるかもしれない。わずか500年前までは、ほぼ全員の人類が「地球は丸くない」と、平気な顔で言っていたのと同じように。
人間の血液型も遺伝子関連の学問に深く関係する以上、「脳科学」のようにまだまだ解明されていない部分がむしろ多いはずだ。軽い気持では、「血液型別性格説」に賛成できるが、これが行き過ぎると、危険な落とし穴が待っている。
「血液型別性格」が最初に研究されたのは20世紀前半のドイツだと言われている。当時のナチス・ドイツが兵士に向いている人間を判定するため、この研究に着手したようだ。かつてドイツ国民が心を奪われた大人気の政治家、ヒトラーは、「アーリア人、ゲルマン民族」の優越性に心酔し「血の優越性」を現代科学で裏付けようとした。その結果、人類は6千万人以上の尊い命が奪われたあの戦争に巻き込まれる。東アジアの諸国、日本や韓国や中国も、その例外ではなかった。あの悲劇を忘れてはいけない。
人種や外見、民族や国籍や性別など、生まれつきのことによって同じ人間を差別し、時には殺し合いを繰り返してきた我々人類にとって「血液型別性格」は、ある意味、危険な発想にもつながる。社会の中で偏見を助長する「潜在リスク」があるからだ。
文明の奴隷になりつつある今の時代だからこそ、人間しか持たない「洞察力」で科学や思想をしっかりコントロールしていくことが求められていると言えよう。
O型のいないアイドルグループ「B1A4」。その新曲、「SOLO DAY」が聞きたくなった。
B1A4 - SOLO DAY (Full ver.)
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