シン・ヘチョル の最新ニュースまとめ
5年ほど前は、ダイエットのために胃袋をシリコン製のバンドで締める手術を受けていたこともあり、正確な死因をめぐっては様々な「医療ミス」の疑惑が浮上している。
日本ではあまり知られていないシン・ヘチョル氏だが、韓国では90年前半から半ばにかけて一世を風靡し、その後も歌手兼音楽プロデューサーとして活躍してきた大御所アーティストだ。
彼の突然の死後、生前の数々のヒット曲が韓国の主要音楽配信チャートを賑わせているが、同時に、韓国の音楽配信業界における収益構造が改めて指摘されている。
配信サイト側の「まとめ売り」などで、楽曲の単価が5分の1以下に低下し、ただでさえ少ないアーティスト側の取り分がさらに縮小してしまうという問題だ。
それでは、具体的にみてみよう。
故シン・ヘチョル氏が26年間リリースしてきた曲は全部で219曲。 中には、自身が作曲または作詞を手がけた曲もかなり含まれている。
韓国の音楽配信サイトでは、1曲あたりのダウンロード価格は600ウォン(約70円)が定価となっているので、219曲を買うのにかかるお金が131,400ウォン(約14,000円)。
しかし、韓国の楽曲配信業界は競争が激しく、どのサイトも「100曲まとめ買いSALE!」のようなキャンペーンを常時やっているので、結局1曲当たりの価格は100ウォン(約11円)までに暴落してしまう。つまり、故シン・ヘチョル氏の楽曲219曲がたったの21,900ウォン(約2400円)で買えてしまう訳だ。
韓国の音楽配信業界では、作曲家にも作詞家にも歌手にも、それぞれ、5%の印税(著作権使用料)が支払われるので、歌手シン・ヘチョル氏が219曲をすべて作曲したとしても、わずか2,190ウォン(240円)の収入しか得られないのだ。
なお、配信サイト側には40%、レコード会社や事務所には45%収益が分配される。
一方、日本では、JASRACなどの著作権団体が「著作権使用料」として楽曲の定価から10%を徴収して作曲家や作詞家にそれぞれ2.3%ずつ、音楽出版社に5%、残りの0.4%は「手数料」になる。
分配率の数字だけを見れば、日本より韓国のほうがキチンとしているようにみえるが、韓国ではもともとの楽曲単価が低い上に、上述のような配信サイトによる「安売り」が横行しているので、音楽を創る側が受け取れる収益は、日本よりもはるかに少なくなるのだ。
故シン・ヘチョル氏は生前、様々社会問題に切り込む「毒舌アーティスト」としても有名だったが、こうした音楽業界の収益構造にも触れたこともあった。
例えは、「音楽をやっている人は収入が増えると、楽器や機材などを増やすことを真っ先に考える特性を持っているので、アーティストに流れるお金は、そのまま創作活動の糧になる」などと発言していた。
やはり、音楽業界の根幹である作曲・作詞家や歌手らに利益還元がしっかりとなされない限り、本当の意味でK-POP界が潤うことは考えられない。
80年台~90年には毎月のように誕生していた「名曲」と言われるような歌になかなか出逢えなくなったのも、こうした音楽業界の歪んだ収益構造に起因しているのかもしれない。
SBS [一夜のTV演芸] - 天に召した魔王シン・ヘチョル
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