最近のドラマ主人公を見ると「精神科医師」が多いようだ。彼らは主役として登場する。精神疾患の相手主人公と治癒までのストーリーを描く。

 7の顔を持つ多重人格障害の財閥3世と極秘主治医となる精神科女医のロマンスが進む(MBC「キルミーヒールミー」)。ヘルメットを被ったり婆さんに変装すると外出できる女性と精神科医が愛を通して治癒していき、成長する姿を描いている(tvN「Heart to Heart」)。

 昨年人気を博したドラマ「大丈夫、愛だ」もトラウマを抱えた小説家と精神科医を描いた。

 いままでの緊迫した手術台でメスを握る外科医が主人公とは違う。1994年の「総合病院」をはじめ「白い巨塔」「外科医ポン・ダルヒ」、救急医師を素材にした「ゴールデンタイム」や「エマージェンシー・カップル」まで、ドラマは主に生命の危機的状況を劇的要素として使用してきた。

 肉体から精神の疾患へと転換したことに専門家らは、多くのストレスを受ける現代人は精神的疾患に一層共感できると分析する。

 クァク・クムジュ(ソウル大心理学科教授)「現代社会では多様な精神疾患が存在し、皆さん関心があるのだと思います。劇中の病を見て『自分にも似たような症状が一つくらいあるな』と思うのではないでしょうか」。

 一時代を探りその時代に生きる人々を映し出すテレビドラマ。目に見える傷より心の病に移りゆく現実を描いているのだ。