共に裁判を受けている国土交通部のキム氏と大韓航空のヨ常務に続き、うつむいたまま常に最後に入ってきたこれまでの裁判とは変わり、今日はキム氏に続いて2番目に入ってきたチョ前副社長の足取りはいささか軽やかに見えた。
チョ前副社長は、うつむいて髪で顔を隠したまま微動だにせずにいたこれまでと違い、今日は若干やつれた姿ではあるものの、比較的明るい表情で周囲を見回していた。
続けて指で髪の毛を耳にかけるなど、これまでに比べて余裕を感じられるような姿も見せた。
裁判が始まると、チョ前副社長は被告人席でうつむいたまま裁判部の判断に耳を傾けていた。
「パク・チャンジン事務長の陳述が全体的に一貫しており、信憑性がある」と公判を始めた裁判部は、争点となった「航路変更」について有罪を認めると述べた。
航路変更が有罪と認められ、実刑判決を受ける可能性は高い状況だったが、チョ前副社長は大きく動揺していないようだった。
しかしチョ前副社長は、裁判の最後、自分の反省文を判事が読み始めると涙を流した。
「当時、気持ちのどこかにこんなことをしてもいいのかという考えがなかったわけではありませんでした。今考えてみれば、乗務員のキムさんとパク事務長も家族にとって大事な一人であります。被害者とその家族にも本当に申し訳ないと思っています」
うつむいたまま動かなかったチョ前副社長は、左手で涙を拭った。反省文の朗読が続き、チョ前副社長は度々ティッシュで涙を拭き、鼻をかんでいた。
「拘置所に入った当初は、ボックスの中のお皿と歯ブラシ、下着、靴下が、私の全てでした。生活必需品を買う日が決められていて、物を買うことすら容易でありません。周囲の人が化粧水などを貸してくれ、シャンプーやコンディショナーなども貸してくれ、お菓子も気軽に分けてくれました。ありがたかったです。誰も私にこの事件について聞いてきませんでした。これが人に対する配慮だと思いました。相手が望むことをしてあげること。私はこのようなことが不足していたように思います。全ては私の過ちです」
チョ前副社長の涙は、反省文の朗読が終わるまで続いた。
判事は反省文を朗読後、「反省文を見ると、チョ前副社長が反省しているように見える。この事件が起きた時には他人に対する心の扉が閉ざされていたとすれば、この謝罪文を通して見ると、今は他人への心の扉を開いているように見える」と述べた。
そのすぐ後に、チョ前副社長は懲役1年の実刑判決を受けた。大きく反応はしなかったチョ前副社長は、公判が終わるとうつむいたまま法廷を後にした。
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