古家正亨の司会で、ファンの拍手の中、チョ・ヒョンギュンが登場。1曲目は「天国に心奪われて」(ジーザス・クライスト・スーパースター)。スクリーンに日本語訳が映し出される中、スタンドマイクで力強く歌い、チョ・ヒョンギュンが片手を挙げて拍手を求めると、ファンは手拍子で応じた。続けて「The Music Of The Night」(オペラ座の怪人)、「見果てぬ夢 The Impossible Dream」(ラマンチャの男)を伸びやかな歌声で披露。時には拳を握りしめ、情感を込めて歌い上げた。
<B>―「The Music Of The Night」や「見果てぬ夢」についてはどんな思いがありますか?</b>
「The Music Of The Night」は、私の一番好きなミュージカルが「オペラ座の怪人」なんです。19歳のとき、仲のよい先輩がチケットをくれて初めて観たのですが、それを観てミュージカルの世界を知り、今こうしてミュージカル俳優をすることになった“核”となる曲です。
「ラマンチャの男」の「見果てぬ夢」は、ミュージカル俳優になる前に公演を観て、まるで自分の現実を見ているようで心を打たれた曲です。韓国でメディアのインタビューに「今年は海外旅行をしたい」とか「日本やブロードウェイで公演をしたい」と答えていたのですが、それがこうして現実になって、夢だったことが実現したことを感じながら歌いました。
そんな厳しい世界でキャリアを積み、日本でソロコンサートを開催できたことについて、「とても光栄に思っています」と照れたような笑顔を覗かせた彼は、ギターとバイオリンの生演奏で「Those magic Changes」(グリース)、「僕こそ音楽」(モーツァルト)、「why God why?」(ミス・サイゴン)でもファンを魅了した。ミュージカルの世界がそのまま飛び出してきたかのように、ジャケットの裾をひるがえし、ステージを左右に大きく動き回り、歌だけでなく生き生きとした表情や動作でもファンを湧かせた。
数ある「モーツァルト」の中でも歌手パク・ヒョシンの作品が好きだと明かすと、「どうやったら人からあんな素晴らしい声が出るんだろうと思いました」と目を輝かせる。MCに「パク・ヒョシンさんにどことなく似ている」と言われると、「ありがとうございます。似せるために整形手術でもしましょうか(笑)」とファンを笑わせるお茶面な一面も。「ミス・サイゴン」の「why God why?」については、旋律やテンポが好きでオーディションで100回は歌った思い入れのある曲だと打ち明けた。