【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は15日、建設・開発会社前会長の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が有力政治家らに多額の現金を渡したとされる問題について、「聖域なき捜査」を進め、不正に関わった人物は例外なく処罰することを強調した。 16日から27日まで中南米4カ国を歴訪する朴大統領が、出発直前にこのような発言を行ったのは、側近であっても不正が明らかになれば例外なく処罰するという強い意志を示すことで、疑惑の拡大と否定的な世論の拡散を抑える狙いがあるとみられる。 また、朴大統領は「政治改革のレベルで必ず正していく」との考えを示し、これを契機に政界の腐敗を解消するとの意思も明らかにした。成氏が残したメモに名前が上がった人にとどまらず、捜査対象を拡大する可能性があることを示唆した。 成氏は政界での人脈が広いことで知られ、与党だけでなく野党の人物にも接触を試みたとされている。 また、朴大統領は「国民の血税を浪費する腐敗問題の根絶を徹底して進め、もう一方では政治改革を成し遂げるという二つのことをやり遂げるのがわれわれの使命」と強調。成氏が自殺したことで中断されるとの見方が強まっていた前政権の海外資源開発事業などに関する不正についても続けて捜査を行う方針を明確にした。 李明博(イ・ミョンバク)前政権の海外資源開発事業に絡み、公社などから借りた資金を横領したなどの疑いで検察の捜査を受けていた成氏は9日、ソウル市内の山中で自殺した。ズボンのポケットから政治家の名前と金額が書かれたメモが見つかったほか、自殺前にメディアとのインタビューで、多額の現金を渡したと暴露した。成氏は2013年4月、国会議員の再・補欠選に出馬した李完九(イ・ワング)首相に現金3000万ウォン(約330万円)を渡したと主張したが、李氏は「一銭も受け取っていない」「受け取った証拠が出れば命をなげうつ」と否定した。 yugiri@yna.co.kr
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