【東京聯合ニュース】済州島4・3事件の真相究明に貢献したり、世界平和や人権伸長に寄与したりした人に贈られる「第1回済州4・3平和賞」の授賞者で在日同胞の小説家、金石範(キム・ソクボム)氏の訪韓申請が韓国政府に拒否されたことが分かった。 在日韓国大使館関係者は13日、「関係機関との協議を経て(韓国訪問に必要な)旅行証明書の発行を拒否するという決定を8日ごろ、金氏本人に通知した」と明らかにした。 同関係者は決定について「旅券法にのっとった措置」とした上で、「金氏が韓国で行った反国家的発言などが問題になったものと承知している」と説明した。 金氏は「朝鮮籍」で、韓国を訪問する際には旅行証明書の発給を受けなければならないという。金氏は韓国で行われる対談イベントに出席するために証明書の発給を申請していた。 済州島4・3事件は1948年4月に済州島で起こった島民の蜂起に伴い、島民が軍や警察などに虐殺された事件。同賞は4月3日が同事件の犠牲者の追悼日として昨年、法で定められたことを記念して設立された。 金氏は57年に同事件を扱った小説「鴉の死」を発表。その後も同事件を題材とした小説で国際社会に済州島4・3事件の悲劇を伝えた。その活動が認められ、同賞の最初の受賞者となった。 金氏は4月に済州島で行われた授賞式で、事件当時の李承晩(イ・スンマン)政権について、「はたして親日派、民族反逆者勢力を基に構成した李承晩政府が臨時政府の法の正統を継承できたか」とした上で、「ここから歴史の歪曲(わいきょく)、偽りが現れ、これに対抗して単独選挙と単独政府樹立に対する全国的な反対闘争が起きた。その同一線上で起きたのが4・3事件」と述べた。 この発言に対して一部の国会議員や保守団体などが反発し、賞の取り消しを求めるなど論争が広がった。 yugiri@yna.co.kr
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