【ソウル聯合ニュース】韓国の空の玄関口、仁川国際空港のセキュリティーに対する懸念が広がっている。 テロの脅威がいつにも増して高まっている中、今月だけで2件、外国人の乗り継ぎ客が密入国する事件が起きた。29日には空港のトイレで爆発物と疑われるものが発見され、メモにはアラビア語で「おまえらに送る最後の警告だ。神が処罰する」と書かれていた。 専門家らは総合的な点検が必要だと指摘する。 特に外国人乗り継ぎ客の密入国事件は、最新ではなく十分に機能を果たしていなかった施設も原因だが、それ以上に人がすべき監視がおろそかだったことは深刻な問題で、「人災」とされた。 21日早朝、日本から仁川経由で中国に向かう予定だった中国人夫婦が、仁川空港で乗り継ぎ便を待っていた時に旅客ターミナル3階の出国場に上がり、密入国した。中国人夫婦が最初に通ったのは空港の常駐職員専用の出入り口で、内側には職員の休憩室がある。職員が出入証をかざす手間を省くために施錠していなかった。さらに、保安区域と一般区域を隔てる扉は、中国人夫婦がコンクリートの床に固定した施錠装置を揺さぶり続けたところ、ねじが外れた。この装置は10年近くたつものだったという。中国人夫婦が出国場に入るまでの時間はわずか14分。出国場の警備員も2人を全く制止しなかった。 29日には20代のベトナム人が保安区間をすり抜けた。旅客ターミナル2階での入国審査は終了していたが、このベトナム人は入国審査場の無人自動出入国審査台のスクリーンドアを力ずくで開けた。アラームが鳴ったものの、法務部輸出入国管理事務所は入国審査終了後に警備員を置いておらず、アラームは役に立たなかった。 ベトナム人が仁川空港に到着してから保安区域を抜けるまで約2時間半だった。一方、法務部が航空会社からベトナム人が乗り継ぎ便に乗らなかったという連絡を受け、防犯カメラで密入国を確認するまでには8時間を要した。法務部はカメラの画質が良くなく、追跡に時間がかかったと話している。 建設交通部航空安全本部長を務めた咸大栄(ハム・デヨン)中源大航空学部招聘(しょうへい)教授は「空港に最先端システムが十分に備わっているとしても、結局は人が防犯カメラを見て監視する2重、3重のセキュリティーが必要だが、そうではなかった」と指摘した。同学部のファン・ホウォン教授は「安全とセキュリティーは24時間どこにも隙が無いよう管理しなければならない」としながら、この機会に施設のセキュリティーと人員運用を総合的に見直すよう促した。 mgk1202@yna.co.kr
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