俳優キム・ナムギル
俳優キム・ナムギル
およそ 2 年ぶりとなる韓国の実力派俳優キム・ナムギルの来日ファンミーティング「KIM NAM GIL SPECIAL STAGE 2016 -ROAD SHOW-」が3月25日東京・舞浜アンフィシアター、27日グランキューブ大阪にて開催された。

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 キム・ナムギルのギルは韓国語で“道”という意味を持ち、日本公式ファンクラブの名称も、同じ道を歩む仲間を意味する“Gil Voet(ギルボ)”。いずれも道がキーワードであることはファンの間ではよく知られており、昨年日本で公開された「パイレーツ」や「無頼漢渇いた罪」で映画俳優としての地位を確立した彼が今回日本のファンに届けるステージ「ROAD SHOW」にも、“道”というキーワードが含まれている。

 3月25日(金)の東京公演ではトークを中心としたステージを、27日(日)の大阪公演では歌唱力にも定評のある彼のライブステージと、それぞれ違った構成の公演が行われた。会場の舞浜アンフィシアターは、満席!

 開演前、ファンクラブの案内や映画「花、香る歌」の予告映像などが流れ、2 年ぶりとなるキム・ナムギルとの再会を待ちわびるファンの期待をより膨らませていた。

 半円形のステージ中心から上下白のスーツに身を包んだ王子様のようなキム・ナムギルがせり上がってくると会場から大きな拍手が起こり、 バンドの生演奏に乗せて「Endless」の甘い歌声でステージはスタートした。間奏部分でキム・ナムギルが手を振るとそれに応え満面の笑みでペンライトや手を振るファン。曲が終わり「ちょっとシリアスに行こうと思っていたんですが」とはにかんでいるとMCの古家正亨が登場し、あいさつへ。「本当にお久しぶりです。日本のみなさんにお会いできて、うれしいです。ワクワクしています。最近ひどい風邪をひいてしまい、困ってしまった」と言い終わると、タイミング良く咳き込み、会場の笑いを誘った。

 イベントは、一本の映画を見せるというコンセプトで進行。第一幕では「2年間どう過ごしてきたのか?」を聞いていくことに。
まずは、これから撮影が始まる映画「マイエンジェル」について、「これはロマンスではなくヒューマン映画ですね。シナリオを読んだ時、日本映画の雰囲気があるなと思いました。亡くなった妻を忘れられない男が一人の女性と出会ったことによって自分を振り返り、妻を見送ることができるという内容です。4月から撮影しますので、秋頃に公開するんじゃないかな?」と優しい口調で丁寧に説明をし、ファンに大きな期待を抱かせた。

 ここで、いつもファンを魅了しているキム・ナムギルの眼差しを生でみせてもらおうとMCが提案。マイクを横にし、涙袋あたりに持ち、恥ずかしがりながら、エロティックな眼差しをカメラに向けると、会場からは黄色い歓声が!ファンがメロメロになった後は、今までの作品トークへ。

 「去年は、カンヌ映画祭にも行って来ました。そしてたくさんの作品も撮影し公開したのですが、去年一番多くしたのは、皆さんからの手紙や写真を見て、皆さんに会いたいなぁと想うことでした」と今度はファンへの愛を言葉で表現。

 4月23日(土)より日本全国公開となる映画「花、香る歌」の映像が流れ「この作品は映画『アンサンブル』の監督が撮られたものだった縁で僕は特別出演させていただきました。 古典芸能のパンソリを描いている良い作品になっています。監督は、僕の役は非常に葛藤している人物だから、『ナムギルがふざけても相手にするな』と共演俳優に言ったので、僕はいつも一人でした」と冗談交じりに裏話も明かした。

 そして、映画「パンドラ」の写真がスクリーンに映り「政府や社会が解決できない災害の中、家族守ろうとする一人の青年の作品です。」と紹介。1月に撮影が終わった「殺人者の記憶」については「殺人者、自分と正反対のキャラクターを演じるのは難しかったです。自分の暴力的な部分を最大限に引き出して表現しました」と違うタイプの2作品の苦労話を告白した。

 俳優キム・ナムギルの話の次は、キム・ナムギルのプライベートに迫ろうと携帯電話に保存されている映像を公開。サッカーの試合をしている映像が流れ、シュートする姿にファンからは「キャー!」と声が上がり、MCの提案で、愛の玉をファンのハートにシュートすることに。「あーはずかしい」とお茶目に言いながら、右、中央、左のファンに向け架空の愛の玉をシュート。後ろ姿も素敵だと言うMCの言葉にお尻を強調して後ろ姿を披露し、ますますファンを喜ばせた。

 ファンを悩殺した後は、アコースティックギターを持つ写真がスクリーンに映り、「韓国ファンがギターをプレゼントしてくれたから、持ってみただけ」と謙遜してみせたが、「できませんよ。見せるほどでは…」と言いつつ、スタッフが持ってきたギターでワンフレーズ演奏。しかし上手くいかず「僕のギターじゃないんです」と、可愛らしい言い訳に、会場から温かい拍手が送られた。この後も、何度かギターを弾いてみたが、「次に!」とファンと約束を交わした。

 負けず嫌いな部分も見せたあとは、インタビュー映像を挟んで、二幕 “MUSIC SHOW”へ。黒いロングコートをスタイリッシュに着こなしたキム・ナムギルが「僕の人」を歌いながら再登場。最後の「君は僕の人」の歌詞で会場を甘い雰囲気に包んだ。

 ステージ右のタクシーの停車場のセットにキム・ナムギルが移動し「別れのタクシー」を耳元でささやくように歌いはじめ、2曲目にしてファンをうっとりさせた。つづく「焼酎一杯」では屋台のセットで一人飲んでいる演出で曲を披露。このコーナー最後の曲ではベンチに座り「愛しているから」をスタートさせたが、曲の途中で客席に降り通路を歩きながら歌う姿に会場からはこの日一番の歓声が上がった。歌いながら、ファンに近づき、手を振り、握手まで。曲の最後は日本語で「愛しているから~」と歌い、キム・ナムギルのミュージックドラマを締めくくった。

 バンドの生演奏に歌手顔負けの艶のある歌声でファンをとろけさせた後はバンドマンの紹介。「バンドの皆さんは『不朽の名作』という番組で演奏している有名な方たち。僕が、どれほど、すごいかわかりますよね?」とジョークで会場を沸かし二幕を終了した。

 三幕は、“HEALING SHOW”。このコーナーの発案者はキム・ナムギル本人で、「韓国のファンミーティングで、エピソードを寄せていただき、家族のように会話していたので、日本ファンの皆さんともしたい」と思い自分から提案したのだという。ファンクラブで事前に募集したお悩みに答えていった。

 まずは、彼氏のできない真面目な娘さんを心配する母親からの悩みに「完ぺきすぎるのかな?気楽な姿を見せたらいいんじゃないかな?」と真面目に答え、「焦らなくても、もしかしたら、お母さんが知らない所で、内緒で恋愛してるかも」と質問者を安心させるような優しい気づかいを見せた。

 去年4月社会人になってから体重が増えてしまった男性からの悩みには「母親と喧嘩すると痩せると思います。うちでは、僕も父も母を怖がっています。(母の作った)おかずに意見を言ったら、食卓に出ていたおかずも下げられてしまいますから(痩せると思います)。女性は、脂肪があったほうが良いと思います。俳優が鍛えているのは、作品のためですから、作品が終わると僕も気楽にしています。太ると母からチェックが入り『家にいるからよ!』って言われてしまいます」と苦笑いしながら、家族の力関係まで暴露。

 最後は、3月13日が誕生日だったキム・ナムギルへのメッセージカードをファイルにまとめた物が、ステージのナムギルに届けられた。ファンのメッセージに読みふけるキム・ナムギルをMCが制止し、最後のあいさつへ。

 「日本に来たいという想いが胸に渦巻いています。俳優として、映画に出続ける理由は、皆さんに愛される俳優として恥ずかしくない俳優でいたいという思いがあるからです。僕よりかっこいい俳優に気持ちが行った人もいると思いますが…(咳払い)ここにいる皆さんが本物のファンの皆さんです」とファンへの想いを伝えた。また、会場に来ている韓国ファンにも、韓国でファンミーティングがなかなかできないことについて申し訳なく思っていること、そして感謝を伝え、「残念なんですが、そろそろ終わりです。僕は朝まで皆さんと一緒にいたいと思っているんです」と名残惜しい気持ちを表現。カードのファイルを小脇に抱え「皆さん!愛してるよ~」と日本語であいさつしステージをあとにした。

 主人公不在のステージに、アンコールを促す拍手が鳴り響く中、ステージ中央から、せり上がって凛々しい姿で「愛してはだめですか」を熱唱したキム・ナムギル。二番では、ファンと共に歌い、最後は大げさな動きで歌い、別れの寂しさを笑いで吹き飛ばした。「ありがとうございました。楽しんでいただけましたか?お疲れ様でした。またお会いしましょうね。あんにょん~」と何度も振り返りながら、ステージを後にし、2時間半にわたる公演を終了した。

 ドラマや映画での鋭い眼差しとは正反対の優しく親しみやすいキム・ナムギル。今年も映画が続々と決定しており、磨きのかかった演技に期待が高まる。



映画『花、香る歌』予告編
映画『花、香る歌』予告編




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