■暮らしや文化に親近感がある
そもそも、韓流はすでに「ブーム」ではなく、日本の大衆文化の中で「ジャンル」として定着している。
「ブーム」なら一過性なのだが、「ジャンル」となれば根強い人が支えていて、そう簡単に衰退することはない。
確かに、最近の世相によって韓流から離れた人はいるだろう。
しかし、変わらずに韓流を通して毎日の楽しみを見いだしている人も多い。しかも、K-POPは若いファンを次々に増やしている。そのことはまぎれもない事実だ。
振り返ってみれば、日本と韓国が国交を結んだ1965年当時は、日韓の往来は年間1万人だった。今は飛躍的な数になっている。
政治的な悪化にもかかわらず、両国がこれほど近づいたのは、暮らしや文化に親近感があることも大きい。
世論調査をすれば、今は韓国に親近感を感じる人はそれほど多くないが、韓流の仕事をしていると、「こんなにも韓国ドラマやK-POPが好きな人が多いのか」と心から驚いてしまう。
果たして、世論調査の結果というのは、実態を正しく映しているのだろうか。
■変わらぬ情熱と創意工夫が大切
日本は世界に友達がいるのか。
韓国は世界に友達がいるのか。
何も遠くを見る必要はない。すぐとなりに似たような風貌の友人がいるのだ。変わっていく世界の潮流の中で一緒に歩いていけばいい。
その際、相互理解の一助になるのがテレビドラマである。家にいながらにして、その国の生活の隅々まで見られるテレビドラマの影響力は、本当にはかりしれない。
同時に、音楽もとても身近な共通の趣味になれる。K-POPのスターたちは日本語で語りかけてくる。彼らの努力が日本の人たちの感性を動かしている。
ただ、このところ心配なのは、韓国ドラマの内容に偏りが見えることだ。同じような題材の作品が多いし、オリジナルな企画・脚本も不足している。また、K-POPにしても、似たようなグループが次々に出てくる傾向がある。こうした状態が長く続けば、いくら「ジャンル」になったとはいえ、飽きられてしまうのも仕方がない。
韓流が今後も日本の大衆文化の中でしっかり定着するかどうかは、ひとえにテレビドラマの質や、K-POPグループの個性にかかっている。
「絶対に面白いドラマを作る」
「独自の音楽を提供する」
その熱意がアジア中に韓流を定着させた原動力でもあった。
願わくば、韓国のドラマや音楽に携わる1人ひとりが、変わらぬ情熱と創意工夫を持ち続けてくれることを!
文=「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)
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