チャン・グンソク の最新ニュースまとめ
前回は、チャン・グンソクが『ファン・ジニ』に出演するまでの話だった。今回は、それ以後である。
2006年前後のチャン・グンソクは、果敢にいろんなことに挑戦した。自分の名前を冠したラジオ番組『チャン・グンソクのヤングストリート』の進行役をしたり、テレビ歌謡番組のMCをしたり…。
さらには、『着信アリFinal』で日本映画にも出演した。この作品は『着信アリ』シリーズの最終作で、突然送られてくる呪いのメールを誰かに転送しなければ死んでしまうという設定のホラー映画。チャン・グンソクは、謎の死を迎えた女子高生に疑問を感じ、真相を解き明かすために奔走するジヌを演じた。
このジヌは聴覚障害者で、セリフの代わりに、手話やジェスチャーなどですべてを表現しなければならなかった。
「予想より難しかったです。演じるにあたって、観客を驚かすだけでなく、心理的葛藤も与えたいと思っていました。演技中はとても苦しくて、つい話をしてしまいたかった場面も多かったですね」
チャン・グンソクは、ベテラン俳優でも難しい役を見事に演じた。しかし、彼は「100点満点中の60点」と辛口の評価を下した。
「もう少し上手に演じられたらよかったのに…。後悔をたくさんしました」
そう語る姿には、俳優としてのあくなき向上心が見えた。
このときの経験はチャン・グンソクの大きな財産になった。彼は誠心誠意がんばる日本のスタッフを見て、自分も俳優として誠実な演技ができるようにしようと思った。
彼はしみじみとこう語る。
「外国の作品への出演は、いつでも前向きに考えています。大切なのはどの国で演じられるかではなく、自分が演じたいキャラクターなのかどうかです。自分が面白いと感じたら、どこででも演じたいと思います」
彼にとって、舞台は世界に広がっていた。
■自分の未来への投資
漢陽(ハニャン)大学の演劇映画学科に入学したチャン・グンソク。小さい頃から芸能活動に忙しかった彼にとって、大学生活は新鮮なものだった。彼は芸能人だからといって肩肘をはらず、普通の大学生として学生生活を楽しんだ。
しかし、やはり「普通」ではなかった。
整った顔だちのチャン・グンソク。当時の彼は誰よりも自分が好きで、毎朝鏡を見るのが日課だったという。
そんな彼は、モムチャン俳優がもてはやされた韓国で、スリムな引きしまった体を維持することにこだわった。美しくくびれた腰のラインは彼の自慢の一つだった。
また、彼女ができたらどんなときでも自分がリードすると断言した。
「恋人にするなら、相手の年齢よりも自分を愛してくれるかが大切ですね」
こういう発言をするだけに、韓国では「ナルシストだ」と批判されたが、そのときでも「変わらずに愛してくれるファンのことが大好きです」と率直に語った。
また、大の日本好きとしても知られた。
「中学3年から日本語の勉強を始め、いずれは通訳なしでファンミーティングが出来るようになりたい」
そう夢を語った彼は、日本語の勉強のために日本に留学したいという気持ちまで持って
いた。
「自分の世界を広げたいのです。自分の未来に対する投資でもあります」
向上心が本当に強かった。
その気持ちは『テバク』に主演する現在に至るまで変わっていない。
■作品ごとに見せる「高いプロ意識」
2008年、チャン・グンソクのもとには『花より男子』の出演オファーが届いていた。共演者、スタッフ、作品の知名度というすべてで、ほぼ成功が約束されたようなドラマだった。
「受けるに違いない」
周囲はそう予想していたが、チャン・グンソクは『花より男子』の出演オファーを受けなかった。
その代わりに、『ベートーベン・ウィルス』への出演を決めた。
この『ベートーベン・ウィルス』は、才能がありながらもどこか足りない部分を持つ団員たちが結成したオーケストラの話である。その中でチャン・グンソクは、絶対音感を持つ天才カン・ゴヌを演じた。
チャン・グンソクは、『ベートーベン・ウィルス』を選んだ理由についてこう語っている。
「音楽を通じて感情を分かち合い、そして、感動を伝えることができる作品だと思ったからです」
今から考えても、『ベートーベン・ウィルス』のほうを選んだのは英断だった。この作品は、チャン・グンソクの飛躍に欠かせない作品となった。
さらに、彼はこう語っている。
「時間が経って初回から再び放送を見たら、最初の演技が本当にぎこちなかったです。それでも終盤にはゴヌは非常に良くなって、とても成長したと思います」
チャン・グンソクは、『ベートーベン・ウィルス』でトランペットをはじめて演奏したという。しかし、初心者とは思えないほど華麗な旋律を奏でた。
このレベルに達するには並々ならぬ努力が必要だろう。チャン・グンソクの高いプロ意識がうかがえた。
(次回に続く)
文=「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)
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