ここ数年、男性人気スターの女性がらみの不祥事が目立つ。イメージを損ねるし、人間性にも疑問が出る。多くのファンに愛されているというのに自覚が足りないし、脇が甘いとしか言いようがない。
日本の場合は、「週刊文春」や「週刊フライデー」のような、芸能界のスキャンダルを暴露する雑誌ジャーナリズムが強力で、芸能人も用心に用心を重ねている。しかし、韓国には「週刊文春」や「週刊フライデー」に匹敵するものがない。そういう週刊誌が見当たらないのが韓国マスコミ界の実情なのである。
従来から、マスコミで芸能ニュースを扱うのはスポーツ新聞の役割だった。こうしたスポーツ新聞を発行しているのは大手新聞社である。韓国ではマスコミが権威主義的で、大手新聞社が発行するスポーツ新聞は節度をわきまえざるをえなかった。もちろん、一般紙に比べるとスポーツ新聞は読者の興味をあおる記事も載せるのだが、それでもお行儀のいいニュースが多かった。
そんな状況を激変させたのがインターネットの普及だった。わかりやすく言えば、インターネットの世界だけで作られるネット・メディアがたくさん登場したのである。「大手新聞社が母体」という背景もなく、「競争に勝ち抜く」という目的が先鋭になり、興味本位の記事があふれるという状態になった。
こうしたネット・メディアが重視しているのが、実は芸能界のゴシップなのだ。
■芸能事務所の管理も甘い
ネット・メディアが増えるにしたがって、芸能界のゴシップが乱立するようになった。とにかく、芸能人の私生活を暴く記事があふれだした。
信憑性に疑問がつく記事も多いのだが、中には当たっている記事もあり、そうした状況の中で芸能人の不祥事が目立つようになってきた。まさにイエロー・ジャーナリズムがスターの驚異になってきているというわけだ。
くわえて、ツイッターやブログの普及で、街に繰り出した芸能人の動向も情報として拡散されやすくなっている。そうした情報をまたイエロー・ジャーナリズムがうまく利用するのである。
興味本位の記事が多い現実には批判も多いが、「国民の知る権利に応えている」とイエロー・ジャーナリズムも開き直っている。しかも、芸能界のゴシップが好きな読者はどこの世界にも確実にいるのだ。
こういう状況になれば、むしろ芸能事務所のほうが警戒して、所属タレントの管理を強化すればよいのだが、現実は逆で、むしろ管理がおろそかになっている。韓国の芸能事務所は日本と比べると、組織力も経営力も発展途上のところが多いのである。
話を整理してみよう。韓国の芸能界で不祥事が多くなってきているのは、一つは本人の自覚が足りないことが原因だが、さらに突き詰めると、ネット・メディアの暴露合戦の標的になっていることが挙げられる。
スターは、いつまでも輝く星であってほしい。イエロー・ジャーナリズムに巻き込まれないように注意をするべきだし、芸能事務所は所属タレントの管理をもっと強化すべきである。
文=「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)
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