軍隊では階級が絶対である(写真提供:ロコレ/韓国陸軍公式サイトより)
軍隊では階級が絶対である(写真提供:ロコレ/韓国陸軍公式サイトより)
■階級こそが絶対!

 軍隊なので階級制度がある。

「二等兵 → 一等兵 → 上等兵 → 兵長」のように、現役兵は4段階の階級を経ていく。

 特に、一定の期間が経つと昇級するシステムになっている。

 たとえば、二等兵は3か月経つと一等兵になる。その3か月の中には5週間の新兵訓練も入っている。

 一等兵になると7か月後には大体が上等兵になり、上等兵になった後、さらに7か月後に兵長となる。

 そして、兵長を4か月くらい務めると除隊となる。

 これで合計して21か月なのである。

 もちろん、各兵士には能力差があるが、軍人としてあまり出来が良くなくても、一定の期間がくると昇級できるようになっている。階級社会なので、全員がある一定の期間を経て昇級していくようなシステムでないと軍の規律が守れなくなるのだ。

 このように、軍の上下関係というと階級が絶対なのだが、同じ一等兵だとすると、年齢・学歴・経歴はまったく関係なく、先に入隊したほうが先輩になる。ここで、明確な先輩・後輩の関係が生まれる。

 かつては地方出身の若者が先輩となって、大都会出身の高学歴の後輩をいじめるということが多かった。嫉妬にかられた行動だ。

 しかし、現在ではそういうことも極端に少なくなっている。韓国が全般的に高学歴社会になってきたからだ。


■上等兵から楽になる

 軍隊は完全に上下関係で成り立っているので、自分の立ち位置を考えて行動しなければならない。

 同じ階級でも先に入隊している人は、相手が年上だとしてもため口を聞いて大きな顔ができる。

 しかし、1日でも遅く入隊した人は後輩になるので、先輩に対して敬語を使わなければいけない。それが軍隊というものだ。

 とにかく、二等兵のうちは上官や先輩からいろんな用事を頼まれるし、気が利かないと怒鳴られたり小突かれたりする。つまり、気が利かないと軍隊ではとても辛い思いをすることになる。

 それでも、「二等兵から一等兵、一等兵から上等兵、上等兵から兵長」というように昇級を楽しみにしていれば、少しは気分も楽になるのではないだろうか。

 もちろん、一番辛いのは二等兵で上官から用事ばかり頼まれて自分の時間がない。また、一等兵になっても二等兵を管理する役割があり、二等兵がミスしたりすると一等兵の責任になってしまう。

 このように、一等兵もなかなか大変なのだ。

 上等兵になれば軍隊でかなり楽になってくる。上等兵の場合は1年くらい軍隊にいるわけで、軍隊生活にも相当慣れている。ここでホッとできるのだ。

 兵長になれば、現役兵の中では一番上なので、下の者になんでも命令ができる。まさに会社の役員になった気分だろう。

 そして、後は首を長くして除隊を待つことになる。


文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)

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