唐突ですが、婚前純潔という言葉をご存知ですか。
日本で婚前旅行という言葉をよく耳にしますが、婚前純潔という言葉はどうなのでしょうか。明治時代なら通じたのでしょうか。
女性は結婚するまで純潔を守るべし!
私の青春時代には、韓国の女性なら誰もが結婚前に純潔を守ることが絶対的な生き方だと思い込んでいました。
「女は結婚するまで身持ちを慎重にすること!」
耳にタコができるほどそう言われ続けました。
そうであるなら、もっと正しい性教育が行なわれればよかったのですが、残念なことに当時の韓国社会は性に対して開放的ではなかった。特に娘に対してはとても厳しかったのです。
男性の異性経験は自慢話になるのに反して、女性の異性経験は「恥」、「傷」、「雑巾」など、マイナス的なイメージが含まれた単語でよく表現されていました。
結婚前に純潔を守るという条件が、当時の女性の恋の行方を大きく左右したのです。
私が現実と理想にギャップを感じたのは、大学に入ってからです。初めて付き合った彼と別れてから徐々に気付くようになりました。交際中には、自分の生き方が正しいと彼にぶつけてましたし、そういう私を守ってくれた彼だったからこそ信用しました。それなりに絆もあったと思います。
■確かに男性中心の社会
せっかく付き合っていたのですが、彼の浮気で別れることになりました。
最初は彼のことや浮気の相手を憎みましたが、よくよく考えてみたら、自分の古い考え方が現実の状況に合わないこと、なによりも恋に素直じゃなかったところが一番悪かったのでは、と思うようになりました。
自分が一番情けない、と反省もしました。
いかに男性中心の社会に洗脳されていたか、どれだけ自分が勘違いしてきたかがわかるようになりました。
失恋がきっかけで、私は女性として人間として、正しく生きていく道を見つけることができました。
確かに男性中心の社会ではありますが、結局社会の半分は女性が占めているし、女性がいなければ男性は生まれないのです。
以来、「社会を変えるのは女性しかいない」と思い、自分から変えていこうと徐々に前向きに考えるようになりました。
私の世代(1970年代生まれ)、いや今も同じかと思いますが、韓国の女性なら大体3つのタイプがいると思います。すでに性に対して開放的な考え方をした人、私みたいに徐々に意識が変わった人、いまだに婚前純潔を当然だと思っている人…。
高校時代の友人にもブログを通して聞いてみました。
「20代のあなたは婚前純潔に対してどう思っていました?自分の子供にはどんな性教育を行なっていますか?」
■正しいというより選択の問題
友人は短大まで実家から通い、卒業と同時に公務員の試験に受かって、役所で働いています。社会人になって3年目に社内恋愛で結婚し、今は1男1女の母親としてたくましく生活しています。
彼女からの返事です。
「私は婚前純潔を必ず守らなければならないと思っていました。父親がかなり保守的な人だったから、生活や行動にいろいろと制約を付けられました。友達の家や親戚の家に一晩泊まるのもなかなか許してくれなかったし、自分も何かを自ら決めたり判断したりすることが苦手でした。怖がりでもありました。田舎で生まれ育って、ずっと田舎で生活してきたので、恋に悩んだり周りから変な誘惑を受けたりしたことがなく、婚前純潔に対して真剣に悩む暇もないまま結婚することになりました。自分の子供にも性に対しては開放的でクールな母親にはなれないと思います。でも、私の親世代みたいに洗脳して押し付けるのではなく、十分な会話をしながら正しい性教育をしたいと思います」
友人の返事を読み、やっぱりと思いました。
考え方というのは、自分から変えようという意識がなければなかなか変えられないものです。悩みや疑問というのは、自分の考え方を見直すチャンスではないでしょうか。
生き方にはいろいろな形があり、どちらが正しいというより、それは選択の問題なのです。どれだけ自分の生き方に納得して健康に生きていくことができるかが一番大事なのではないかと思います。
文=スヨン
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