韓国ドラマ「テバク~運命の瞬間(とき)~」のネタバレあらすじ、キャスト、視聴率、相関図、感想
■幸先のいいスタート
韓国SBSの月火ドラマとして『テバク』の放送が始まったのは、3月28日だった。第1話の視聴率は11.8%(韓国ニールセンの全国統計。以下同様)。同じ時間帯で一緒にスタートした『町の弁護士チョ・ドゥルホ』(KBS)や『モンスター』(MBC)を抑えて、同時間帯ドラマのトップに躍り出た。
第1話と第2話は、名優のチェ・ミンスとチョン・グァンリョルが実力通りの名演技を披露し、内容も重厚感のある歴史ストーリーになっていた。第2話の視聴率が12.2%に上がったのも、視聴者の期待の表れだったであろう。
しかし、第3話の後半から、物語の主導権が若者たちに変わってから、雲行きがあやしくなった。
特に、第4話はラブコメのような話も織り込まれ、第1話や第2話の「歴史大作」というイメージから遠くなった。
その影響は、視聴率にてきめんに現れた。
第3話は11.6%だったのに、第4話は9.5%まで急降下した。なんと、2.1ポイントの下落であった。
■視聴率の推移を見る
第4話で視聴率が10%台を切ってしまった『テバク』。以後は、10%の大台が遠ざかったままだった。
7.7%という最低の視聴率になったのが、5月30日放送の第19話だった。ネタバレになるので詳細をはぶくが、この回は首をかしげるような展開となり、視聴率がさらに落ちたのもやむをえない、というような状況だった。
同時間帯に放送されていた月火ドラマの中で、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』(KBS)はグングンと視聴率をあげ、大評判となっていた。『テバク』はライバルに完全に水をあけられてしまったのだ。
『テバク』視聴率
第1話(3月28日) 11.8%
第2話(3月29日) 12.2%
第3話(4月4日) 11.6%
第4話(4月5日) 9.5%
第5話(4月11日) 9.2%
第6話(4月12日) 8.4%
第7話(4月18日) 9.1%
第8話(4月19日) 8.7%
第9話(4月25日) 8.0%
第10話(4月26日) 8.9%
第11話(5月2日) 8.9%
第12話(5月3日) 9.2%
第13話(5月9日) 8.7%
第14話(5月10日) 8.4%
第15話(5月16日) 8.4%
第16話(5月17日) 9.6%
第17話(5月23日) 9.5%
第18話(5月24日) 8.5%
第19話(5月30日) 7.7%
第20話(5月31日) 8.1%
第21話(6月6日) 10.3%
第22話(6月7日) 9.9%
第23話(6月13日) 9.2%
第24話(6月14日) 10.0%
■平均視聴率は及第点
『町の弁護士チョ・ドゥルホ』は『テバク』より4話少ない全20話だった。このドラマの放送が先に5月31日に終わったので、『テバク』にとっては大きなチャンスになった。『町の弁護士チョ・ドゥルホ』を見ていた人たちが『テバク』に移ってくる可能性が高かったからだ。
確かに、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』の放送がなくなった6月6日の第21話は10.3%を記録して前話から2.2%も上昇した。『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が放送終了になった効果は確実であったのだ。
しかし、その効果も長続きせず、第22話は9.9%となり、第23話はさらに9.2%まで下がった。
そうした状況の中で、『テバク』は6月14日に最終話を迎えた。注目された視聴率は10.0%。最後は再び10%台に乗って放送を終えた。
全24話の平均視聴率は9.3%。この数字だけを見ると、決して悪くない。むしろ、健闘したと言えるのではないだろうか。
同時間帯に『町の弁護士チョ・ドゥルホ』のような強力な人気ドラマがありながら、平均で9.3%の視聴率をあげた『テバク』。チャン・グンソクのファンからすれば、もっと上の数字を期待していたかもしれないが、それ以前の前2作(『ラブレイン』と『キレイな男』)が低視聴率だったことを考えると、『テバク』の平均視聴率9.3%は、十分に及第点だと言える。
■転機となる作品
作品性から見た『テバク』の問題点は、次の3つに集約できるのではないか。
1.脚本の出来に疑問符が付いた。その場しのぎの「奇をてらった展開」が多かった。
2.演出に雑な面が見られた。撮影時の準備不足と指摘されても仕方がない。
3.女優陣の演技に難があった。キャスティングが正しかったのかどうか。
以上の3点については、視聴者からも激しい批判が寄せられていた。
一方、チャン・グンソクの演技はどう評価されたのか。賛否両論があったが、好意的な意見が多かったのも事実だ。
実際、本物のヘビを食らうという俳優魂は大いに称賛されていた。いずれにしても、チャン・グンソクが『テバク』によって本格派俳優への道を確実に歩みはじめたのは確かだろう。間違いなく、『テバク』はチャン・グンソクにとって今後へ向けての転機となった作品である。
最終話の視聴率はピッタリの10.0%。大台に復帰して物語を終えることができたのは本当に良かった。
そういう意味では、あの『テバク』が有終の美を飾った、と言ってもいいのではないだろうか。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)
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