ソン・スンホン の最新ニュースまとめ
■タフな精神力を持った強い男
俳優は、誰もが多様な役を幅広く演じることを望む。それは、俳優の性(さが)なのであり、固定化されたイメージを嫌うのが宿命でもあるのだ。
しかしながら、幅広い演技をこなすのは容易ではない。ファンがいったん心に焼き付けた俳優のイメージは、そう簡単に覆るものではなく、その先入観がややもすると俳優を臆病にさせる。けれど、そんな閉塞感から勇気を持って抜け出す俳優もいる。
たとえば、ソン・スンホン。
彼は繊細で優しい感性で世に出て、四季シリーズの作品を通してそのイメージを決定的にしたのだが、今はタフな精神力を持った強い男の存在感を示している。
彼は、どのようにして、劇的にイメージを変えたのか。
■堅実な人生観
始まりは、ファッション系のモデルだった。
ソウル出身のソン・スンホンは、1995年、18歳のときにモデルとなり、都会的なセンスで人目をひいた。彼は芸能関係者の目に留まり、1996年にMBCのシットコム「男女6人恋物語」で俳優デビュー。まじめな大学生を演じて大いに注目された。
続いて出演したドラマは『あなた、そして私』。暗い性格を持った地味な青年を演じたが、天性の華やかさは隠せるはずもなく、恵まれた容姿が視聴者の心をとらえた。
しかし、彼は浮かれなかった。
「人気を実感する余裕がありません。もともと変化の激しい世の中なので、この人気もいつ変わるかわかりません。それよりも僕は大局的な視点から演技力を磨き、いつも挑戦する俳優でいたいと思います」
この発言を見ても、ソン・スンホンが堅実な人生観を持っていることがわかる。
1998年にはドラマ『勝負師』に出演し、不正に立ち向かうエリート刑事に扮した。1999年には、映画『カラー』で人気絶頂だったキム・ヒソンと共演し、一歩も引けをとらなかった。さらに、ドラマ『ハッピー・トゥゲザー』では先輩俳優のイ・ビョンホンと渡り合い、俳優としての成長を証明した。
■目の輝きに惹かれた
勘の良さが彼の持ち味。周囲から愛される性格も、俳優人生を後押しした。
そして2000年。彼はユン・ソクホ監督に指名されて『秋の童話』に主演した。ユン・ソクホ監督は、何よりもソン・スンホンの目の輝きに惹かれたという。
「演技は経験を積めば上達するが、その人が持っているイメージだけは天性のもの。私はそのイメージを大切にしています」
さすがに、名監督は感性が違う。ユン・ソクホ監督は『秋の童話』でソン・スンホンの目のアップを多用した。それがソン・スンホンの最大の魅力だと知り尽くしていたからである。
この『秋の童話』がアジア各国で人気を集め、ソン・スンホンは韓流スターとしての地位を固めた。出演依頼が殺到する中で、『冬のソナタ』を大成功させたユン・ソクホ監督は『夏の香り』で再びソン・スンホンを指名。彼は意欲的に役作りを行ない、髪を染め、さらに洗練された優しさをアピールした。
ユン・ソクホ監督がこだわった四季シリーズの4作品。その中で二度も主演したのはソン・スンホンだけだった。ユン・ソクホ監督がどれほどソン・スンホンの目の輝きを高く評価していたかがわかる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)
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