2003年にNHKのBSで『冬のソナタ』が放送され、翌年4月からはNHKの総合テレビでもオンエアされた。これを機会に、日本でも韓流ブームが起こり、韓国ドラマの注目度は高まった。(写真提供:news1)
2003年にNHKのBSで『冬のソナタ』が放送され、翌年4月からはNHKの総合テレビでもオンエアされた。これを機会に、日本でも韓流ブームが起こり、韓国ドラマの注目度は高まった。(写真提供:news1)
2003年にNHKのBSで『冬のソナタ』が放送され、翌年4月からはNHKの総合テレビでもオンエアされた。これを機会に、日本でも韓流ブームが起こり、韓国ドラマの注目度は高まった。韓国では海外を意識した大作ドラマが企画されるようになった。

ソン・スンホン の最新ニュースまとめ


■芸能界の兵役忌避問題

 クォン・サンウ、キム・ヒソンとの共演が話題を呼んだのが、2004年のドラマ『悲しき恋歌』だった。

 ソン・スンホンも期待に胸を膨らませてオーストラリアへの海外ロケに向かったのだが、その直後に発覚したのが芸能界の兵役忌避問題である。兵役を意図的に逃れたことが明らかになった俳優の中にソン・スンホンも含まれていた。

 人気商売の芸能界。男優は誰もが兵役を恐れる。その空白期間の間に人気が落ちてしまうのではないか、という不安がつきまとうからだ。

 それは恐怖に近いものだ。ソン・スンホンもそれを払拭することができず、意図的に兵役を逃れてしまっていた。

 この一件が明らかになると、ソン・スンホンは『悲しき恋歌』の出演を取りやめ、心から反省して謹慎した。それから入隊し、2年間、彼は真摯に兵役をこなした。


■人間的に大きく成長

 2006年11月15日は、ソン・スンホンの除隊日だった。所属していた基地には、国内外から多くのファンが訪れた。

 彼のことをファンは見捨てなかったのである。

「軍隊を除隊する男たちが女性に対してよく言います……待っていてくれてありがとう、と。その言葉を皆さんに送ります。本当に感謝致します」

 兵役を通して、ソン・スンホンの中で何が変わったのか。

「入隊する前には、何でもやりたいことをやってきました」

 ソン・スンホンはそう言う。しかし、軍隊の中では孤独に耐えながら、自分を見つめ続けた。その過程で、心境の変化が著しかったという。

「軍隊で節制する生活を続け、自ら強くなったと思います。一般的によく聞く『男は軍隊に行かなければいけない』という言葉がようやく理解できましたし、軍隊では人間的に大きく成長した気がします」

 ひと回り大きくなって戻ってきたソン・スンホン。復帰作はクォン・サンウと共演した映画『宿命』だった。


■男くさい役をやりたい!

2008年3月17日、映画『宿命』の特別試写会が行なわれた。このときにソン・スンホンは、次のように語った。

「無難な形で復帰するより、前とは違う姿をぜひ見せたかったのです」

 それが、ドラマよりも映画を優先させた理由だという。

 周囲の人たちは、「今までのイメージを生かせるドラマのほうが復帰作にふさわしい」という意見だったが、ソン・スンホンはあえて違う選択をした。それは、「復帰作では、男らしく骨太のイメージを新しく出したかった」からである。

 これも、軍隊生活を経て、ソン・スンホンが逞しさを身につけた証だ。彼はそれまでのような洗練された役よりも、男くさい役がやりたくて仕方がなかったのだ。それは、見た目よりも中身を重視するという俳優魂の表れでもあった。

 復帰作の映画で手応えをつかんだあと、ソン・スンホンはようやくテレビドラマの主演を決めた。それが、『エデンの東』だった。


文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)

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