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[時論]正恩氏の恐怖政治と韓国の北朝鮮人権法
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による「恐怖政治」は一体いつまで続くのだろうか。政権5年目の今なお、金委員長は権力の中枢にいる幹部たちの粛清をやめようとしない。 韓国統一部によると、北朝鮮の金勇進(キム・ヨンジン)副首相は6月の最高人民会議(国会に相当)での姿勢の悪さを指摘され、「反党・反革命分子」などとして7月に銃殺処刑された。また、金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長は高圧的な態度と権力乱用を理由に7月半ばから1カ月間、地方の農場で「革命化教育」と呼ばれる厳しい思想教育を受けたという。 金正恩体制が発足してから15年末までの4年間に処刑された北朝鮮の幹部は、130人余りに達するとも推定されている。金委員長が反人権的な恐怖政治を続けているのは、依然として権力基盤が盤石でないことの証ともいえる。 国際社会はこれまで北朝鮮当局による人権侵害の実態を告発し、非難し続けてきた。これに対し、北朝鮮との協力や和解に重点を置いていた韓国の過去の政権は北朝鮮の人権問題を取り上げることそのものを避けていた。こうしたなか、今月4日から韓国で施行される北朝鮮人権法が注目されている。 同法は2005年に初めて国会に提出され、紆余(うよ)曲折の末、今年3月にようやく成立した。「北朝鮮人権記録センター」を新設して北朝鮮当局による人権犯罪を体系的に記録し、「北朝鮮人権財団」を設立して北朝鮮住民の人権改善に向けた事業を推進することが法の骨子だ。今後、法に基づき記録した人権犯罪を公表し、北朝鮮に圧力をかけることも可能になりそうだ。 韓国政府は北朝鮮脱出住民(脱北者)からの聞き取りなどを通じて北朝鮮での人権侵害に関する情報を集め、人権犯罪に関与した人物を公表することを検討しているという。 人権犯罪の実態の記録は、南北統一後の刑事訴追対象を明確にする意味があるため、北朝鮮内部の加害者たちにプレッシャーとなり、住民への人権侵害を防止する効果が期待できる。私たちは北朝鮮人権法を出発点に、北朝鮮住民の人権の実質的な改善に積極的に取り組む必要がある。